20 ゴールの無いランナー


中学校の運動会でのことです。学級対抗のリレーがありました。トップランナーの木村さんが、スタートと同時に隣りのランナーと接触して、バトンを後に弾かれてしまいました。それでも、みんなは一生懸命走ったのですが、アンカーの私にバトンが渡されたときには、1周位はなれてしまっていました。私も一生懸命走ったのですが、ゴールに近づくころには既に、リレーは終ってしまったと思い、一目散に、水飲み場へ駆け込んでしまいました。


学校には 卒業というゴールがあり
会社にも 定年というゴールがある
人は生まれ そして死を迎えるという
人生のゴールもあるだろう

その人生の中には
ゴールを見出せないで
走り続ける時もあるだろう
山にも ピークというゴールがあるが
目前で 引返す勇気も必要だ

しかし ゴールがあるのに
ゴールに飛び込まないのは愚かだ
一生 そのゴールを目指し走り続ける
ゴールの無いランナーになってしまう

リレーには テープが張られたゴールがある
目に見え 体に感じるゴールがある
こんなに分り易いゴールなのに

ゴールを目指し 未だに走り続ける
夢を見る もう ゴールは無いのに
夢を見る 何度も 何度も 夢を見る


2007年1月4日 自宅にて



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