目国内岳901m峰

 ポイント
 前半は林道から放牧地と思われる雪原を辿る。後半は展望の良い緩傾斜を登る。台地に着くと、大展望が待っている。
パンケ目国内川左岸ルート

 アクセス
 北尻別蘭越線(道道229号線)に架かるパンケ大橋の袂から山側に入り、堤の沢川に架かるつつみのさわ橋とパンケ目国内川に架かる育成院橋の間に延びる上里農免道路を北上する。道なりに右にカーブを描きながら進むと上里トラクター利用組合格納庫がありその右側に除雪されていない林道がある。除雪されていれば十字路の所に駐車させて頂く(犬の糞を踏まないように)。道路は全て舗装されている。
 国土地理院地図   GPSトラックは山の地図帖「2006.4.1」へ 周辺地図
=写真をクリックすると大きなサイズになります=
 4月1日<2006(H18)年 往復スキー11.016km 登り3:26 下り1:17>  北の山游詩:樹氷の秘密
 林道入口から雪の山を乗り越えて林道を辿る。林道が右に大きくカーブを描いて進路を変える。もう少し行けば広い尾根に取り付けると思うが、堪え切れずに、沢状地形から林に入り尾根を目指す。林を抜けると広い雪原に出る。振り返れば幌別岳が煙ってはいるが雄姿を現す。雪原の奥には目国内岳の湿原のある台地が広がっている。右側の広い雪原との間は少し窪地になっているので、右側の広い雪原には行かず、雪原に突き出たような林の中にある道を辿る。雪原を後にして、明るい疎林帯を進む途中に、幼木だけの白樺林がある。
林道入口 幌別岳 雪原 白樺の林
 どんよりとした雲行きから、急に青空が広がり、目指す台地や隣の三角点「三国内969.7m」が姿を現す。振り返れば蘭越町の平野部と幌別岳が一段とくっきり見えてきた。休憩する度に後を振り向き景色を眺める。高度が上がると、三国内の奥に真っ白な雷電山が顔を出してくる。
目国内岳の台地を 三国内969.7m 幌別岳と蘭越町 雷電山が
 更に高度が上がると、羊蹄山、昆布岳、幌内山、幌別岳と屏風のように広がってくる。羊蹄山は寄生火山の南コブまで見え、その奥に尻別岳がシルエットのように佇んでいた。昆布岳は鷲鼻のように尖り、幌内山はピークが特定できないくらい平らに見え、幌別岳は急峻で凛々しく見える。真っ白な磯谷牧場の右には日本海が雲の切れ目から顔をだす。
羊蹄山 昆布岳 幌内山 幌別岳
 高度が上がるに連れて、樹氷の輝きが増し、青い空に映える。別世界の様な、樹氷の林を登って行くと、樹氷が透けて見えるようになる。もう過ぐ台地に到着する予感がするが、中々着く気配がない。それでも、高山植物にも劣らない素晴らしい樹氷の花を見て感動する。小さなサラシナショウマの様でもあり瓶ブラシのようでもある白い樹氷が小枝にぶら下がっている。台地に着いても綺麗な樹氷が続く。
樹氷 樹氷の林を もう少しで台地に 台地の縁に到着
 台地からは山頂に向かって樹氷の林が続いている。ようやく、樹氷の木々の隙間から、目国内岳が真っ白な姿を現す。更に、目国内岳に歩み寄りその勇姿を脳裏に焼き付けるように見入る。すると、目国内岳に登る人影が見える。時間かのおっかさんご一行さんではと、大声で「おっかさーん」「がくさーん」「フアー」と呼んでみるが、何れも反応が無い。仕方が無く、山頂を目指す。山頂が近くになると、雷電山の1174m峰と思われる山影が陽炎のように透けて現実感が無く浮かんでいた。
 昼食は目の前に目国内岳が見える所に陣取る。直登していた人が山頂に着くと間もなく、北側にかくれていた人影も山頂に着く。山頂の人達は固まった黒点になり、しばらくすると滑り出した。最初の人は気合を発し、スピードが出ていてかなりな腕だが、途中で小さくなり止ってしまう。後の二人はゆっくりテレマークを楽しみながら降りてきて合流する。合流してからはまた、一気に下っていった。
山頂へ続く樹氷の林 樹氷の隙間から 目国内岳を望む 1174m峰が
 山頂の岩には数人の影があり、アイゼンとピッケルの世界のようだった。急に風が出てきたので、われわれも引き上げることにする。目の前の湿原を挟んで前目国内岳の後ろにはようやくアンヌプリの山影と羊蹄山が望むことができた。真っ白な雷電山を目に焼き付けて山頂を後にする。台地からは、登ってきたときと打って変わって、雪が湿りだし板が取られて曲がらないので、得意の腹切り滑りで下る。途中、アンヌプリと羊蹄山が真っ白な姿で見送ってくれた。振り向けば、雷電山も全景を現し、またおいでとでも言ってくれているかのような錯覚に陥る。
 林道直前の沢筋で、相棒がたっぷりと水を含んで真っ青な雪にスキーを刺し転倒する。助けに行こうと登り返すが、中々進まない。その内に自分で、スキーを外して無事脱出する。やれやれと胸を撫で下ろす。
アンヌと羊蹄 雷電山 アンヌプリと羊蹄山 雷電山を見ながら
 最後に、ルートを教えてくれたizumidaさんに感謝の気持ちが湧き上がる。

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 二人の山行記録 (遊びの時間含む)
 2006(H18)年4月1日(土) 曇り後晴れ 往復スキー11.016km 登り3:26 下り1:17
 7:45駐車場所→8:18林道から尾根→8:32雪原→9:00白樺林→10:59台地→11:11山頂11:58→13:15駐車場所