石倉山遺構(350m)

 ポイント
 石倉山には日露戦争当時(1904年)、海岸線を走る鉄道が攻撃されたときに、代替交通網として使うために軍事道路が造られた。軍事道路は、現在、途中崖崩れで通行不能なようだ。この道路の張碓側と朝里側に、〒のマークが付いた同じ建物がある。〒小屋は、電信装置に使われた「中継線輪」と言うコイルを収納していた小屋ではないかとも言われている。
 軍事道路の詳細は、小樽開発建設部のHPhttp://www.hkd.mlit.go.jp/ot/douro_keikaku/index.htmlマガジン第2部「一般国道5号「山側への新たな道〜軍事道路〜」http://www.hkd.mlit.go.jp/ot/douro_keikaku/vu2tjq0000000rvn.htmlに記載されてる。

 アクセス
 国道5号線の張碓にあるU字カーブ付け根を山の方へ進み、真っ直ぐ旧国道に入って行く。張碓橋を渡り旧国道沿いに路駐する(路駐スペースは広い)。スノーシューズを履いて法面に取り付く。帰りは、国道5号線を潜り張碓市街を通り左折して国道5号線に出る(右折より安全)。
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電柱群
 張碓側<2010(H22)年2月21日>
 尾根の軍事道路沿いに電柱群がある。何処から何処まで続いているのかは確認していないが、道端に15本確認した。
 電柱には木製の標識が釘で打ち付けてあり、1本に2枚、稀に3枚付いている。「土」で始まる標識は連番のようだが、抜けている番号もある。
 見落としたか、朽ちて倒れているのかは不明だ。「昭」や「大」で始まる標識は年号と思われるが、大正六年と昭和二六年とすれば少し年代が離れているように思う。3枚ある標識の一番上は全く文字が見えなくなっている。
 電柱には横に5本の垂木を配し、それを左右の位置でL字鋼で止めた形の腕木になっている。電柱には垂木の真中でボルトで止めている。大の字が付く骨組みにはL字鋼のアームで補強されているが、昭の付く骨組みにはアームの補強が無い。電柱本体は、2本から4本のワイヤで固定されている。稀に、補助の電柱を立てて固定されている電柱もある。
大の字が付く 昭の付く
 電柱 1
土八八
昭二六・一●
 電柱 2
土八七
大●●
 電柱 2と3の間<2012.5.10>
土八六
大六・一〇
 電柱 3
土八五
大六・一〇
 電柱 4
土八四
昭二六・十一
 電柱 5
土八三
昭二六・一●
 電柱 6
●●●
大六・一〇
表示板なし
 電柱 7
土八一
●●●
表示板なし
 電柱 8
●●●
大六・一〇
表示板なし
 電柱 9
土七九
●六・一〇
 電柱 10
土七七
昭二六・一一
 電柱 11
土七六
昭二六・一一
 電柱 12
土七五
大六・一〇
 電柱 13
土七四
大六・一〇
 電柱 14
土七三
大六・一〇
 電柱 15
●●● 近づかず(なし?) 近づかず(なし?)
 電柱 16
●●● 近づかず 近づかず
 〒小屋
 張碓側
<2003(H15)年12月13日>
〒小屋 〒マーク
 以前来たときにも扉が半分開け放たれていて、扉には丸いリングの取っ手が付いていた。中の右奥には空気孔と思われるパイプが床から頭を出し、フックには麻紐が付いていた。郵政にも忘れられた存在になった小屋を保存した方が良いのではと思いながら去る。
取っ手 空気孔 フック
<2010(H22)年2月21日>
 張碓側の小屋には鉄の扉が付いているが、半分開け放されている。コンクリート面には亀甲亀裂が見られるが、まだまだしっかりしている。中には何も入っていないが、何かを吊るしたフックに、まだ、麻紐が付いている。頭の上の〒マークを見上げ、以前来たときと同じ佇まいに安心する。
〒小屋が 正面から 内部 〒マーク
<2010(H22)年5月10日>
〒小屋
 夏道でも難なく行ける軍事道路沿いに佇んでいた。鉄の扉の蝶番は錆びて動かなかった。扉も以前よりも錆びが進んでいて穴が大きくなっているようだった。
<2017(H29)年5月29日>
〒小屋 空気孔 フック
 〒小屋は健在だったが、フックに付いていた麻紐は無くなっていた。
朝里側<2003(H15)年1月13日>
 〒小屋
 朝里側の〒小屋には鉄の扉は無いが、戦中に徴収されたかもしれないと思う。〒小屋も扉の上の〒マークも張碓側と瓜二つなので、対で建てられたと思われる。やはり、中には何も入っていないが、右奥に空気孔と壁には何かを吊るしたフックが付いている。
〒小屋 〒マーク 空気孔 フック
 〒小屋の内部を見ても、何かの装置を置いた形跡は全く見当たらなかった。何に使ったのか、また、謎になってしまう。
〒小屋の位置

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 朝里側 2003(H15)年1月13日