愛冠aikappu(三角点465.6m)

 ポイント
 青い日本海を良く見渡せる。送毛側からは送毛山道(旧国道)を辿り峠に登り、手前のコブ(440m峰)を経由して愛冠に登る。毘砂別側からは毘砂別展望台経由だが、千本ナラは途中から曲がるので見られない。
送毛山道(毘砂別)ルート

 アクセス
 国道231号線を厚田から浜益に走り、送毛トンネルを過ぎて毘砂別に左折する。橋を渡り突き当たりに旧国道の入口がある。冬期交通止めになっている入口付近に駐車できる。
 国土地理院地図 2ルートのGPSトラックは山の地図帳「2007.1.28」へ  周辺地図
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
 1月28日<2007(H19)年 往復スキー10.720km 登り2:30 下り31>
 小雪の舞う毘砂別ゲートに着き準備を始める。ゲートの中に伸びる道は、残念ながら除雪されていた。中に入ると、別荘用地になっているのか1棟の前に1台の車が停まっていた。直ぐに、右カーブをして登って行くと、小雪に煙った浜益の海岸が見渡せる。白い雪の積った海岸線はまるでパン切り包丁のように見える。ギザギザでいて丸みがあるので何とも言えない感じがする。綺麗な海岸線を見ながら、緩やかな送毛山道を登って行くと、自然の岩を削って作ったと思われる船着場も見えてくる。
毘砂別ゲート 浜益海岸 送毛山道 岩を削った船着場
 小雪がちらちら舞う中、太陽が山頂方向から雲を突き破って昇って来る。まるで、ガス溶接で雲を溶断している様に見える。高度が上がり、朝霞みも落ち着いてくると、浜益の海が一望できるようになる。最初の目標としていた「毘砂別展望台」の櫓が見え出す。展望台広場にはトイレもあるが、冬期間は閉鎖されている。
 展望台を過ぎると少し傾斜がきつくなる。一息入れようと振り返ると群別岳が朝陽に照らされていた。暫し、雄大な景色に見入りながら、登れそうにない山々に思いを馳せる。
太陽が雲を 浜益の海 毘砂別展望台 群別岳
 登って来た道の延長線上には独特の形をした黄金山が見えていた。何度も黄金山を振り返りながら登って行くと、神社が現れる。ここで、愛棒がココアを飲みながら休憩した後、下山することにしていたが、休憩する場所の雰囲気が無いので、もう少し登ってみる。中々休憩するには良い場所が出てこないので、愛棒は諦めて下ることにする。もう、腰痛が限界のようなので、別れて、藪の傾斜に取り付く。
 藪を登って行くと除雪された道路に出てしまう。地図には無い送電線の下に伸びる道だった。迷ったが、除雪された道を辿ることにする。峠に差し掛かるとアンテナの施設があった。除雪はもう少し奥までしてあったが、ここから尾根に取り付く。斜面を削って道を付けたところなので、上がるのに一苦労する。後は緩やかな潅木の藪地帯を登って行く。松の植林地の中を進んで行くと、見覚えのある大きな木が数本見えて来て、間もなく何も無い山頂になる。折角、山頂に着いたは良いが、曇っていて目の前の海も見えない。
黄金山 神社 アンテナ 山頂
 何も見えない山頂なので、仕方が無く、山頂周辺で一番大きな木の写真を写す。更に、奥まった高みに行っていたら、天気が少し回復して、浜益の海が見えるようになる。早速、木が邪魔しないところを見つけ、浜益の海を眺める。海を眺めていると愛棒から電話が来て、もう直ぐゲートに着くと言う。私も、早々に下ることにして、山頂方向へ戻りかけると、天気が回復してきて、送毛峠や山側の飛散岳(686.8m)も見え出した。保守道路までの潅木の藪はハニハニ滑りで下る。アンテナの所まで来ると電話が鳴り、娘からだったが二言三言話をしているうちに、充電してくださいと一方的に切れてしまう。電源を入れようとしても立ち上がらない。仕方が無く、下山するが送毛山道までの作業道路には砂利が頭を出していたのかスキー板の悲鳴が鳴り響く。送毛山道からは順調に下る。
山頂の大木 浜益の海 送毛峠 飛散岳
送毛山道(送毛側)ルート

 アクセス
 国道231号線を厚田から浜益に走り、尻苗トンネルを過ぎて送毛に左折する。下る途中に右側に分岐する旧国道の入口がある。冬期交通止めになっている入口に駐車できる。
 4月9日<2005(H17)年 往復スキー9.968kmkm 登り2:09 下り55> 
 送毛山道の送毛側は積雪があり、立入禁止ではなく交通止めだった。山道の入口に車を停め、時折、雨が降る中準備をする。山道をスキーで登るが、もう春なのか舗装道路が数メートル出ているところがある。スキーを脱ぐのも面倒なので、ゆっくり通過する。送電線沿いの道を進むと、正面に336.4m峰と305.1m峰(三角点名:送毛峠)が見え出す。その真ん中を送電線が通っている。305.1m峰の山頂には岩塔がある。
 まもなく、送電線の下を登るか、道路を辿るか選択しなければならない地点に来たが、勾配の緩い道路を選んだ。道路をショートカットできるところはしながら、辿ると送電線の上に出た。送電線の下からは送毛の海が見えて来た。送電線を潜り抜けると真正面に336.4mが見えてくる。
送毛山道(送毛側) 336.4mと305.1m峰 送毛側を 336.4m峰
 送毛峠に着き、振り返ると、送電線下からはより大きく海が見えてくる。送毛山道の奥には白い愛冠の山頂が見えていた。峠から尾根通しで行こうとすると、手前の440m峰を登ることになる。このコブは藪だが、霧氷で真っ白な木々だった。霧氷は風の強い海側に付着し成長するようだ。
送送毛の海を 送毛峠から愛冠を 手前の440m峰 霧氷
 440m峰を過ぎると海側の木が無い平らな尾根となる。雪面は一旦サンクラストした後に暖気で融けたようだ。この木々の無い斜面は植林地で雪の下から幼木が顔を出していた。山頂が見え出すといきなり、吹いて来た。それが、どうも濃霧なのか吹雪きなのかはっきりしない。もう直ぐ山頂だが、強い風に戦意を消失するが、とりあえず山頂に行って見ることにした。
 山頂のようなところに上がるが、まだ、山頂だとは思わず奥へ進むが、どうやら通過したところが山頂のようだと振り返る。引返しながら観察すると、山頂は真ん中がエクボのように引っ込んだ地形で、その中に朽ちた木が数本立っている。
日本海 山頂直下で濃霧と吹雪 山頂 山頂を振り返る
 山頂の風下に陣取り、昼食をする。目の前には霧氷で真っ白な林が広がっていた。濃霧の中に居てもしようが無いので、山頂に上がって、早々に帰ろうと思ったら、青空が覗いて来た。毘砂別側には本来なら青い海と群別岳が見えるはずだが、群別岳は裾野だけだった。送毛側は峠から辿ってきた440m峰が見えてきた。送毛の海は青く透けて見えて綺麗だった。
霧氷で真っ白に 浜益の海と群別の裾 送毛の峠 透けて見える海
 山頂から目の前の青い日本海で満足し、山頂を後にする。山側には645m峰が結構山らしい山姿を見せていた。その隣には、飛散岳(686.9m)が顔を出しかけていた。振り返ると愛冠の山頂もまだ見えていた。愛冠も植林された木が育つと、山頂まで真っ黒の林になるので複雑だ。
山頂から青い日本海 645m峰 飛散岳 愛冠の山頂を後に
 右に日本海を見ならが下ると、登りに濃霧で見過ごしていた自然の盆栽があらわれた。木々の多い440m峰の中では、風が吹く度に霧氷が剥がれ落ち、バラバラと音を立てる。440m峰を下って山道にでると、その奥に愛冠がまだ見えていた。送毛峠に帰り、海側からしか見えないと云われる鷲岩を見ようと394m峰に向うが、また天気が悪くなり途中で引返す。
 帰りは傾斜の緩い車道をひたすらストックを付いたり、スケーティングしながら下る。道の法面はもう雪が融けていたが、フキノトウはまだ顔を出していなかった。
日本海 自然の盆栽 440m峰から山道へ 送毛峠に帰る

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 二人の山行記録
 2007(H19)年1月28日(日) 毘砂別側 曇り時々晴れ ラッセル無し(道路は除雪済み) 往復スキー10.720km 登り2:30 下り31
 7:47毘砂別→8:51毘砂別展望台→9:33神社→9:57アンテナ→10:17山頂10:39→10:42アンテナ→10:49作業道入口→11:10毘砂別
 2005(H17)年4月9日 送毛側 曇り時々雪、濃霧、強風 往復スキー9.968km 登り2:09 下り55
 9:24送毛→10:57峠→11:33山頂12:07→12:27峠(394mへ寄り道)12:47→13:22送毛