積丹岳(1255.4m)

 ポイント
 林道、山小屋(休憩所)ともに良く整備されている。登山道は道床の雨裂や倒木が目立って来た。頂上からの展望は素晴らしい!
婦美コース

 アクセス
 国道229号線を走り、積丹町の婦美町にある小川橋を渡って直ぐに、登山口の看板があり左折する。この舗装道路は農免道路で、ヘリコプタースキーの標識もある。山に向って道を辿ると、浄水場の分岐に「登山口は右」の道標あり、それに沿って進む。ここから砂利道になるが林道は良く整備されていて休憩所に着く。休憩所には詰めれば10台は置けるスペースがある。登山届けは休憩所の中にある。
 国土地理院地図    周辺地図
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
 6月26日<2012(H24)年 往復12.357km 登り3:43 下り2:36 タケノコ採りながら> 
 休憩所に着き下りて駐車スペースを探すが、平日なのに車で溢れていて停められそうな所は無かった。気になっていたフロントガラスの毛虫を割り箸で取り去る。どうやら、林道にぶら下っていた毛虫を連れてきたようだった。気を取り直して、入口近くの林道に停め直す。
 入山届けは小屋の中なので、私一人で小屋に入り記入する。登山道入口からスタートするが、三合目は直ぐに通過する。道端にはホウチャクソウと思われる花がぶら下って咲いていた。
休憩所 登山口 三合目 ホウチャクソウ(大×)
 登山道を辿って行くと、テケノコ採りの人達が、大勢入っていて道端にリユックサックが置かれている所や、大音量のラジオの音が流れていた。四合目、五合目と順調に通過して行くが、前回無かった倒木を潜る。道端にはミズナラの大木が現れる。前回来た時には大木を一周したのだが、谷側が薮になり回れなかった。折角なので、アメリカインディアンの風習に習い「knock on wood」の御呪いをする。ミズナラの大木に元気をもらい、気分を一新して登って行く。
四合目 五合目 倒木 大木
 直ぐに残雪で埋まったフンベツの沢が現れる。残雪はスノーブリッジになっているので、穴が開かないことを祈りながら通過する。スノーブリッジはまだ確り固まっていて安心する。対岸に渡りスノーブリッジの下を見ると、結構な深さなので、落ちるとそれなりのダメージがあると思う。道端には、春の花のエゾイチゲ、ツバメオモト、ヤシオツツジが咲きだす。
スノーブリッジ エゾイチゲ ツバメオモト ヤシオツツジ
 無名の小沢を渡り、倒木を乗り越えながら登って行くと、サンカヨウが顔を出す。道端のタケノコを採りながら登って行くので、張り出した幹に何度も頭をぶつけてしまう。その度に、鞭打ち症や脳障害にならないかと、二人で心配しながら登って行くが、忘れた頃に再びぶつけてしまう。リユックザックもタケノコで少し膨らんでくると、ようやく、六合目に辿り着く。
小沢 倒木 サンカヨウ 六合目
 六合目を通過すると直ぐにテントの沢を渡る。テントの沢からは倒木地帯になり次から次と大小の倒木が現れる。平らになると、七合目になり、湿地帯なのかミズバショウも咲いていた。
テントの沢 倒木地帯 七合目 ミズバショウ
 標高971mのピリカ台に上がると、展望が開けてくる。緩やかな登山道の傾斜が増してくるので、休みながら振り返ると、ピリカ台越しに美国町の大森山が見えていた。八合目を通過すると、羊蹄山が霞みながら姿を現す。
ピリカ台に 大森山 八合目 羊蹄山
 道端の朽木の中を覗くとツマトリソウが咲いていた。ヤシオツツジも満開だった。残雪の上を歩きながら山頂を見上げるが、まだ遠くに感じられる。残雪越しに婦美の海を見ると、すっかり雲が取れ青い海原が広がっていた。
ツマトリソウ ヤシオツツジ 残雪 美国の海が
 九合目辺りからは、雪が残る山頂が近づいて来ていた。道端にはハイマツが現れ、シラネアオイも咲いて来る。振り返ると、ピリカ台が小山に見えていた。高山植物の定番だが、ゴゼンタチバナの咲いていた。
九合目 シラネアオイ ピリカ台 ゴゼンタチバナ
 九合目から見えていた残雪に辿り着くと、岩場になり、婦美の台地や大森山を見ながら残雪の縁を辿って行く。ピリカ台から三角点:滝ノ沢はラクダのコブの様に連なっていた。滝ノ沢は岩山だと分かる。
婦美の台地 大森山 残雪の縁を ピリカ台〜滝ノ沢
 残雪の所で振り向くと羊蹄山が煙っていた。ハイマツ帯を抜けると山頂に躍り出る。最初に見るのは、やはり積丹地蔵の台座だった。足元には欠けてしまった三角点が、哀れな姿を曝け出していた。山頂に上がると、虫が群がって来るが、人も多く大賑わいだった。愛棒が手稲から来たという6人のパーティや夫婦連れと話をしていた。
羊蹄山 山頂に 三角点 大賑わい
 三角点から山頂に行く途中で、海風の口、羊蹄山、ニセコ連峰、岩内湾、ポンネアンチシ山、余別岳が望む。余別岳の斜面に広がる残雪が、連想ゲームを挑戦してきているように、面白い形で浮かび上がってくる。
                            ←大
海風の口 羊蹄 ニセコ連峰  岩内湾   ポンネアンチシ山    余別岳
 山頂を越えて少し下ったら、雲がかかった神威岬や積丹岬が積丹ブルーの海に突き出ていた。山頂から少し下がった所に陣取るが、虫が凄くて、ネットを被ったまま昼食をする。
                     ←大
神威岬                    積丹岬
 昼食が終わり、余別岳への道がどうなったかと思い、少し辿って見ると、もう薮に隠れた跡形もなかった。山頂を見上げて帰ろうと思ったら、タカネシオガマが足元に咲いていた。
 山頂を見ると、一人の男性が到着して、余別岳は何処ですかと愛棒に聞いていたようだった。愛棒は驚いて、道はもう無くなっていると言っていた。
 山頂に近づきながら海風の口を撮そうと思ったが探せなかった。仕方が無く、山頂で記念写真を撮し、三角点方向から海風の口を撮す。 
山頂を タカネシオガマ 記念写真 海風の口
 山頂を後にして、ロウソク岩を目掛けて下山を開始する。山頂直下で、山ガールに出会いあいさつを交わす。ピリカ台辺りで、タケノコの残りを採っていると、先程の山ガールに抜かされる。
山頂を後に ロウソク岩に向かって ロウソク岩 ピリカ台へ
 ロウソク岩は段々鮮明に見えて来ていた。帰りは、採り尽されたタケノコを見ながら下って行く。スノーブリッジのフンベツの沢を通過して、木漏れ日の登山道を下って行く。
 どうも、以前よりも登山道が抉れていたり、倒木が多くて、歩き難くなっているようだった。途中で、団扇を落としてしまい暑さが一段と堪えた。
ロウソク岩 フンベツの沢を 木漏れ日の中 四合目通過
 
 6月27日<2007(H19)年 往復11.585km 登り3:43 下り3:20 タケノコ採りながら> 
 休憩所に着くと、既に3台停まっていた。小屋の中に入って登山届に記入するが、誰も記入していない。先行者はタケノコ採りなんだと思う。小屋からでて、登山口の標識に従い登って行くと、道端にはツルアジサイの白い花も咲いている。天気予報の割にはガスっていて見通しが利かない短調な道を辿ると、三合目はあっと言う間に通過する。
休憩所 登山口 ツルアジサイ 三合目
 霧の中を進むので、たまに、合目の標識が出て来て位置が分かるが、タケノコだけが楽しみになる。タケノコ採りの大音響のテープやラジオの音も聞こえてくる。道端にはペットボトルやティッシュ、タバコの空き箱、飴の袋などが、散見されだす。
 短調な登山道に、大きな木が現れ、周囲が刈り払われていたので、一周して見る。余りに大きい木なので、手を触れてパワーをもらう。幸せ気分になり登山道を辿ると、直ぐに「フンベツの沢」の標識が現れる。
四合目 五合目 大木 フンベツの沢
 フンベツの沢を渡ると、シラネアオイ、ミゾホオズキ、オオカメノキが展望の無い登山道に彩りを添えている。
フンベツの沢 シラネアオイ オオバミゾホオズキ オオカメノキ
 六合目を過ぎると直ぐに標識は無いが「テントの沢」と思われる小沢を超える。七合目を過ぎたあたりから群生しているツバメオモトが咲いていた。
六合目 テントの沢 七合目 ツバメオモト
 珍しくベニバナイチゴの大きな花が揺れていた。標識の文字が薄れようやく、カ台と読み取れる「ピリカ台」に着く。ピリカ台はスキーで来たときに山頂と思って上がり、奥に山頂が見えた時には遠いなと思った所だ。ガスで展望は今一だったが、それでも、八合目を過ぎ九合目に差しかかると山頂が見え、振り返ると三角点「滝ノ沢:910.7m峰」が見えてくる。
ベニバナイチゴ ピリカ台 八合目 九合目
 岩場になると、山頂は間近だ。ハイマツのを抜けると壊れた積丹地蔵の台座が目に飛び込んでくる。ポンネアンチシ山と余別岳が真正面に見え、いきなり風に吹かれる。風に吹かれながら山頂に歩いて行くと、先程、追い越して行ったご夫婦が座っていた。軽くあいさつを交わし、二言三言立ち話をして、われわれも北側の岩の上に座る。
岩が現れる 壊れた積丹地蔵 ポンネと余別岳 山頂
 愛棒を残して、余別岳方向にある踏み跡を辿ってみると、神威岬方向の海岸線が辛うじて見えていた。奥から枯れた白いハイマツ越しに山頂を見上げると、愛棒が手を振っていた。少し下がって目の前にある高みまで行こうかと思ったが、踏み跡は無情にも藪に消え、結構な藪漕ぎになりそうだったので引き返す。途中の岩場にはフレップやゴゼンタチバナが咲いていた。
神威岬方向 奥から山頂を 余別と手前の高み フレップ
 ポンネアンチシ山と余別岳を見ながらココアを飲みながらゆで卵を食べる。カップヌードルは食べず、オニギリは下山してから食べることにする。
                               ←大
ポンネアンチシ山     余別岳
 山頂標識の所に陣取っていたご夫婦が下山したので、余別岳をバックに記念写真を写し下山する。山頂に穴の開いた岩があったことを思い出し、引き返して写真を写す。固有名詞は無いようなので、海風(うみかぜ)の口と便宜上呼ぶことにする。良く見ると目にも見えるので「海女神(めがみ)の眸」も良いかなと一人で悦に入る。
 海風の口の写真を写し終えて、下山する頃、左に大森山、真正面に残雪が見え、その傍がピリカ台、奥が三角点「滝ノ沢:910.7m峰」、古平方向の海岸線も見渡せる位に、天気が回復して来た。
余別岳をバックに 海風の口 海風の口と余別 大森山、残雪とピリカ台
 下りは、三角点「滝ノ沢:910.7m峰」を見たり、藪越しにロウソク岩を見ながら下る。登って来たと きよりもタケノコで重くなったザックを背負いながら、タケノコを探しながら下 る。タケノコ採りに夢中になり、ツマトリソウとサンカヨウを写していなかったことに気が付き写す。
 私は、採ったタケノコを入れる袋を持ちながら、ゴミも回収をする。今日のゴミは、ペ ットボトル4、オニギリの包み紙、飴の包紙など、レジ袋一杯 になった。トイレ跡の紙とモヤは回収対象外とした。
 駐車場に着いてびっくり、ゴミだらけだったのと、変な輩が居たので、パスして逃げて帰る。
三角点「滝ノ沢:910.7m」 ツマトリソウ 蝋燭岩を見ながら サンカヨウ
 =余談=
 山頂で昼食が一寸早すぎたので、駐車場で食べようと思い、重くなったザックを背負い、やっとのことで到着しました。着替えをして、車に乗り込むと蒸し風呂状態だったので、クーラを付けて、オニギリを頬張っていたら、山小屋の傍に停まった車の運転手が、近寄って来て、車の音が煩いから何処かへ行ってくれと言うんです。初め、意味が分らなかったのですが、直ぐにエンジンを切り、蒸し風呂状態で、オニギリを食べ、早々に退散してきました。
 変な輩なんです。何をするでもなく、バンの後部扉を開けて中の何かをじっと見ているのです。今夜は小屋泊まりの様子なのですが・・・何か・・・怖いですね・・・山を登る人にもこんな輩が居るんだと思うと・・
 愛棒は、また、山小屋には絶対入らないという信念が強固になったようです。今日は小屋の中にある登山届は私が入って書きました。登山届は登山口にポストを設置していただきたいと思います。記入されないで登る方が結構多いのではと思います。
 8月15日<2001(H14)年 登り2:30 下り1:50> 北の山游詩:山の一日
 登山届を見ると、今日の登山者は3組だった。登りは愛棒の膝に負担がかからないなだらかで、良く整備された幅の広い登山道だった。ただ一つ難点は登っている最中には展望がないことだったが、ハクサンチドリ、ギンリョウソウ、コバノイチヤクソウ、ヨツスジハナカミキリ等の花や虫を見ながら登って行く。
ハクサンチドリ ヨツスジハナカミキリ ギンリョウソウ コバノイチヤクソウ
 タマゴダケと思われる元気の良いキノコ、秋の花のコガネギク、セリ科の花、ミミコウモリなどが、道端に顔を出す。合目標識間の時間は約20分を目安にした。途中で沢かなと思う沢を3か所通過するが、ちゃんと名前が付いていて、フンペの沢テントの沢だった。登っている間中、チョウチョと蜂に付きまとわれたが、蜂は杖をゆっくり左右に振るといなくなった。
一番元気 コガネギク セリ科の花 ミミコウモリ
 白い毛虫も見つけ写真を撮して満足する。油断していると、頭を幹にがつんとぶつけた。思わぬ衝撃で首が痛くなる。ニガナ、ハイオトギリ、エゾシオガマの花も咲いていた。登っている途中で、先行者が全員降りてきて、われわれだけになってしまった。
 ピリカ台から次は頂上だと思って登るが、まだ奥に頂上があった。8合目からの登りは羊蹄山を背中で見て登り、海も見えて来る。登りでは蝶が終始先導してくれた。
白い毛虫 ニガナ ハイオトリギ エゾシオガマ
 頂上に辿り着き、早速、記念写真を撮す。神威岬方向と登って来た赤井川方向を見回して、昼食場所を決める。昼食をしていると、ツバメが盛んにわれわれ目掛けて接近してくる。デジカメで撮そうとするが、あまりの速さに撮すことが出来なかった。羊蹄山を撮した写真の中にはツバメが一つの点に撮っているのだが。本当にファントム戦闘機みたいな形をしている。
頂上 頂上 神威岬方向の頂上 赤井川方向の頂上
 頂上は岩場で、貸切だった。展望は360°ぐるっと見え、フェリーも2隻、雲もくっきり、狩場山からニセコ、連峰、羊蹄山、尻別山・・・・暑寒別岳まで見えていた。
                     ←大
古平方向     余市方向     赤井川方向
 目の前の、羊蹄山、ニセコ連峰、岩内湾、余別岳(1298m)、ポンネアンチシ山(1145m)を眺める。隣のポンネアンチシ山と余別岳を目前にして、熊岡さんはあそこまで行ったんだと、しきりに感激して見ていた。
                     ←大
羊蹄山 燕   ニセコ連峰        岩内湾   ポンネアンチシ 余別岳    
 昼食が終わり、ぼんやりと神威岬、積丹岬の方向を眺めていた。
                     ←大
ポンネアンチシ 余別岳     神威岬             積丹岬
 青空を見上げると、婦美方向に暴れまわっているような巻雲が見えていた。帰りがけ、余別岳方向の踏み跡に入って見るが、刈り分け道は、既に薮に戻っていた。岩場に咲くミヤマダイコンソウやコケモモを見て引き返す。
婦美方向に巻雲が
ミヤマダイコンソウ コケモモ
 帰りは、ツバメオモトの青い実、ノブキ、ノコギリソウ等、見落としていた花々を見ながら下って行く。
 下山の途中で、山頂にある穴の開いた岩で「海風の口」と呼ばれている岩を撮すのをすっかり忘れていたことに気がつく。
ツバメオモトの実
ノブキ ノコギリソウ

二人の山行記録もくじ1へ  次黄金岬へ  アソビホロケール山へ

 二人の山行記録(遊びの時間を含む)
 2012(H24)年6月26日(火) 晴れ 往復12.357km(タケノコ採りながら) 登り3:43 下り2:36
 7:40登山口→7:46三合目→8:10四合目→8:38五合目→8:44大木→8:47フンベツの沢→9:03六合目→9:05テントの沢→9:43七合目→10:09:ピリカ台→10:20八合目→10:52九合目→11:23頂上11:58→12:25九合目→12:51八合目→12:57ピリカ台→13:14七合目→13:35テントの沢→13:37六合目→13:48フンベツの沢→13:55五合目→14:10四合目→14:30三合目→14:34登山口
 2007(H19)年6月27日(水) 曇り 往復11.585km(タケノコ採りながら) 登り3:43 下り3:20
 7:01登山口→7:06三合目→7:31四合目→7:57五合目→8:07大木→8:08フンベツの沢→8:27六合目→8:29テントの沢→9:07七合目→9:33ピリカ台→9:41八合目→10:12九合目→10:44頂上11:23→12:02九合目→12:40八合目→12:47ピリカ台→13:16七合目→13:26テントの沢→13:27六合目→14:00フンベツの沢→14:06五合目→14:22四合目→14:38三合目→14:43登山口
 2001(H13)年8月15日(水) 晴れ 登り2:30 下り1:50
 9:20登山口→9:27三合目→9:47四合目→10:04五合目→10:10フンベツの沢→10:45七合目→10:58ピリカ台→11:05八合目→11:48頂上12:28→13:01八合目→13:05ピリカ台→13:16七合目→13:32テントの沢→13:33六合目→13:43フンベツの沢→13:49五合目→14:00四合目→14:14三合目→14:19登山口