累標岳rubesibedake(793.1m)
=余市川カルデラの外輪山=

 ポイント 
 仁木町大江地区の自慢の山だけあって、360°の展望が素晴らしい。頂上近くは全く木が無いので、吹雪いたときは十分気を付けたい。山名は仁木町観光農園「峠のふもと紅果園」の寒河江さんから教えて頂きました。
稲穂トンネルルート

 アクセス
 羊蹄国道(国道5号線)の稲穂トンネルには仁木町と共和町を結ぶ旧国道がある。旧国道の共和町側は今も無線中継所の保守道路として整備されている。ここが、登山口となる。
 国土地理院地図 周辺地図
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
 3月1日<2003(H15)年 スキー 登り3:02 下り1:29>  北の山游詩:雲の大地
 今日も、愛棒の膝の具合が悪く、単独登山となった。一路、稲穂トンネルを目指す。稲穂トンネルの仁木町側には松浦武四郎の名の付いた「まつらの滝」があるはずだったが、雪のフェンスを越えないと見に行けないようだったので素通りする。稲穂トンネルの共和町側には除雪車旋回場所と駐車場があった。
 準備をしていると、結構一寸休憩の車が入っては出て行く。準備が出来たので、反対側の旧国道へ急ぐ。国道から、雪の壁を乗り越えるのに一汗かく。ようやく上に上がってスキーを履き、無名沢沿いの旧国道を登って行く。
 地図に滝のある所まで来て、滝を探すが谷は雪で埋っていた。GPSで現在地を確認しようと、ケースから取り出そうとするが、GPSが無い、車のルーフ上に置き忘れたことに気が付き慌てて引き返す。ようやく、駐車場所まで帰ると、車の上にGPSがあった。車の色が黒いので、黒いGPSは車の一部のようだった。
 そこには、作業車が一台停まっていて、トンネルの氷落とし作業をするのか、長い竿を持っていた。その作業員の一人が、私の格好を見て、何かの調査をするのかと言ってきた。私はただの山遊びだと応えると、随分物好きだと言わんばかりの顔をしていた。そして、一人でかいと付け加えた。私は何時も二人なんで、とっさに一人で登る理由が見当たらなかった。
 GPSをケースに入れて、再出発をする。雪のフェンスは今度は容易に越えられた。暖気で木の上から雪が転がっている旧国道を登って行く。道がカーブする所に雪に埋もれたルベシベの滝があった。途中でトンネルの真上に差し掛かる。自動車が引っ切り無しに通っていた。
稲穂トンネル共和町側 駐車場所を振り返る ルベシベの滝 トンネルの真上
 実は、累標岳にしようか、無線中継所のある山にしようか迷っていて、旧稲穂峠に着いた時に考えようと思っていた。旧稲穂峠は思ったよりも簡単に着き、539m峰も簡単そうだったので、愛棒が元気になったときに取っておこうと思い、累標岳に進路をとる。尾根に取り付こうと思い、尾根に入るが藪が濃くて、北側へ逃げる。
 地図の471m峰に来ると展望が開け、正面に累標岳の頂上、右に大黒山が見えるようになる。動物の足跡も雪の上に見える。爪の発達した8cmくらいのうさぎの足跡だった。
旧国道を登る 累標岳を望む 大黒山を望む ウサギの足跡
 500m峰になると隣の755m峰が、木の疎らな斜面を見せていた。ここから、やや下がり気味に林に向かって行き、少し急な斜面を登って行く。次の619m峰までは左の展望がすっきりしないが、それを超えると、ニセコも見えてくる。振り返ると羊蹄山が見える。
 余りに木の無い斜面なので雪崩斜面かと疑って、出来るだけ林の方を登る。やがて、ハイマツが少し顔を出すだけで、すっかり木が無くなる。雪の斜面にカットされた景色が本当に綺麗だった。右側には尻場山(シリパ岬)から頂白山、大黒山が見え、左側にはニセコの山々や岩内の海までが見渡せた。
隣の755m峰 ニセコ連峰 余市市街 ニセコ連峰
 登りきると、木が全く無くなり、目標は頂上方向に見える僅かな木だった。この雪の原っぱで吹雪かれたら、大変だと思い、360°見渡すが吹雪く様子がないので安心して登る。後には尻別岳を従えた羊蹄山が山並みの奥に鎮座していた。やがて、雪原に目印となる反射板が現れる。
岩内市街 頂上方向の木 振り返ると羊蹄山 頂上の反射板
 これが、行けども行けども到着しないで呆れてしまうが、頂上に着いたら、360°の展望が素晴らしかった。反射板があるので、最高点からパノラマは写せず、岩内側と余市側に分けて撮る。昼食は風下の余市側を向いて食べるが、何か落ち着かない。記念写真も撮り忘れて、早々に立ち去る。
                     ←大
赤井川村          尻別岳 羊蹄山        ニセコ連峰      岩内
                     ←大
奥の761m峰          天狗岳              余市     大黒山
 山頂からは赤井川カルデラと余市川カルデラを体感する景色が広がっていた。帰りは余市川カルデラの外輪山になる銀山や稲穂嶺に向かって滑り降りるはずだった。尾根の北側はまずまずの雪質なのだが、東尾根上は太陽光で融けていて、それに、弱い風が吹いていたので、クラスト状となっていた。
 滑ろうとすると雪の表面が段ボールのように硬く、靴に当たる。下の雪も滑るところと滑らないところがあり、特攻隊になったり餅屋になったりで、滑るどころではなかった。腰も傷めてしまい、すっかり戦意を消失していまう。冴えない態勢で下っていると、男性が登ってきた。トレースのお礼も言ってくれた。私は、スキーが下手で思うように滑ることができないと愚痴をいうと、今日だったら、シールを付けた方がと言う。早速、シールを付け直し、気を取り直して下る。
           ←大
赤井川村  余市川           銀山・稲穂嶺        尻別 羊蹄
 また、男性が登ってきた。今度の男性はカバノアナダケ採りのようで、カンジキだった。この後は、スキーのトレースがすっかり穴だらけになり、滑りにくく、ブツブツと文句を言いながら滑る。このバカノアナダラケと(~_~);
 仁木町側からも旧国道が上がってきていたが、荒れ気味だった。

 =クラスト考=
 サンクラスト:直射日光で表面が融けて凍った雪の表面
 ウンドウクラスト:強い風で波状に凍った雪の表面。
 ブレーカクラスト:踏むとぱりぱり割れる雪の表面(別名モナカ)

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 二人の山行記録
 2003(H15)年3月1日(土) 曇り 表面硬雪15cmラッセル スキー 登り3:02 下り1:29
 8:54稲穂トンネル(共和町側)→9:47旧稲穂峠→10:14P471→10:25P500→11:07P615→11:56頂上12:14→12:33P615→13:23旧稲穂峠→13:43稲穂トンネル