13 滑落


十勝岳のカミホロカメットク山で滑落しなくなった方がおられました。山メール仲間の大西さんと親しかったようです。
当日の朝は良い天気だったのですが、山は突然の荒らしとなったようです。視界がきかず足を踏み外し滑落してしまったのではないでしょうか。

こよなく愛した山なのに
ある朝 晴れた山なのに
青空のぞき 山並みも
くっきり見えた山なのに
突然 真白き異次元が
現れ来たりて目を塞ぐ

行くては断崖(がけ)とつゆ知らず
一歩一歩と近づきて
最後の足が空に舞う
白い雪と空に舞う
滑落しては命なし
必死でピッケル使おうが
空しく ピッケル空に舞う

傷つき血まみれた我が体
叱ってみたが動かずに
なんとか気力で動かして
家に戻ると思えども
友よ 妻子よ無念なり

永久の別れに涙する
涙は凍り付き 頬つたわらず
声は出そうも 歯が凍り
友よ 妻よ 子どもよ さようなら
これから心の友でいて欲しい
心の絆はいつまでも
さぞかし 悲しき十勝岳


 2001年4月28日 自宅にて


亡くなられた方のご冥福をお祈りします。この頃、津田さんもスキーで、怪我されリハビリー中とのこと、無理はしないようにお願いします。山で死なれると、悲しくてたまりません。


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