3 入り日


みなさん、御来光と言っていますが、夕焼けも良いものですね。昨年の秋に、手稲山に沈み混む入り日がもの凄い夕焼けを残して行くのでした。

夕焼け それは真っ赤に燃ゆるもの
全ての過去を燃やしつくすもの
忘れたいこと 嫌なことも
燃やしてしまう
入り日の悪戯

夕焼けは生活の中にある光
入り日の気紛れな光
海を 山を 雲を燃やすもの
それでいて 燃やし尽くしはしない
それは優しい光 憩いの一時を与える

夕焼け それは
明日を約束しないで燃ゆるもの
漆黒の闇を誘うもの
そのための篝火
入り日の悪あがき

入り日は願いを叶えない
すぐに沈んでしまうもの
けれど 心配そうに覗き見る
沈むまえに 背伸びをしながら覗き見る
明日は自分で作るものだと言わん気に


2001年1月4日 自宅にて(手稲山の残像から) 

大地の詩もくじへ  次夏の幻へ  北の山遊詩へ