パ ロ 歌 集 INDEXへ
 正木みち先生は高校の英語教師でしたが、短歌を趣味にしていたのには驚きでした。短歌ノートを残して亡くなられた後に、有志が集まり「花の数だけ」という本にしたのです。私は先生から良い成績をもらったことがありませんでした。そこで、友達の勧めもあり、先生の短歌を元歌にパロ歌を作って及第点をもらうべく、画策した次第です。元歌と天と地ほどの違うパロディー歌です。以下、笑ってください。
元歌105 今夜半迎え雲に乗る夫と知らず背腰拭きやる床ずれすまじと
パロ歌   明日の朝リストラされる夫としらず背中さすやる二日酔いすまじと
元歌104 風吹けば風のままに姿変え葉陰に艶なる山百合の花
パロ歌   雪吹けば風のままに形凍て梢に艶なる透氷の花
元歌103 とびたちて吸いこまれたき白き雲六月の空限りなく青
パロ歌   飛び立ちて旋回したき高き壁厳寒の空限りなく澄み
元歌102 運動会を告ぐる花火に杳き日の敵機の爆音想ふ此の頃
パロ歌  12時を告ぐるサイレンに若き日の空腹の音想うこの頃
元歌101 北面に名残りの雪を抱きつゝ芽吹く枝ありて山匂ふなり
パロ歌  山肌に名残の紙を抱きつゝ揺れる枝ありて山臭ふなり
元歌100 突然の夫の高熱看病の足らぬを責むごと水銀昇る
パロ歌  突然の金の通帳残高の足らぬを責むごと小遣い下がる
元歌99 人ごみに見つめられをる心地してふりむけばたゞ広告の顔
パロ歌 笹薮に見つめられをる心地してふりむけばたゞ朽木の大木
元歌98 人ごみに見つめられをる心地してふりむけばたゞ広告の顔
パロ歌 笹薮に見つめられをる心地してふりむけばたゞ朽木の大木
元歌97 陽は西に昇ることなきを知りつヽもたゆたふ小舟は残照を追う
パロ歌 時は古に戻ることなきを知りつつもたゆたう心は残影を慕う
元歌96 春の日を共に歩みし君なるに今いづくやと何に言問はぬ
パロ歌  日本酒を共に一気し君なるにここは何処やと誰に言問はぬ
元歌95 来る春に数多の命生み出さんと種子地に還し秋さくら散る
パロ歌  来る選に数多の議員生み出さんと裏金(かね)人に撒き悪議員散る
元歌94 ひたすらに無明の道を辿り来て仰ぐ紺碧果てしなく空(くう)
パロ歌 ひたすらに大食いの道を渡り来て積まれた皿数果てしなく空(から)
元歌93 文明機ジャンボ北に墜つ澄む空に競う人智の果ての哀れさ
パロ歌 米露の機人工衛星(えいせい)衝突住む空に競うスパイの果ての哀れさ
元歌92 四つ目の葉は幸(さち)といふクローバを見出せどなほ虚しさ変わらず
パロ歌 郵政民営化(みんえいか)は改革という大臣を信じれどなを残る虚しさ変わらず
元歌91 初夏の香を潮の如くみなぎらせ乳色のバラ朝もやに溶けぬ
パロ歌 硫黄香を潮の如くみなぎらせ乳色の間歇泉(おゆ)山霧に溶けぬ
元歌90 億兆の魂に満つる夕茜稜線の彼方浄らに染めて
パロ歌 億兆の赤字に満つる馬鹿社長退職金も億兆に
元歌89 人柄も政策も述べずよろしくと名のみ連呼の列島の春
パロ歌 検証も政策も述べず解除と六者協議の朝鮮半島(はんとう)の春
元歌88 老化とふ非常宿命(さだめ)と諾なひて玻璃窓の外の落暉たたふ
パロ歌 住所とふ必要事項と生活保護(ほご)なくて段ボール(かみ)窓の外から匂いただよう
元歌87 たえまなく降りつむ雪に憂さ埋めて如月の空仰げばすがし
パロ歌 たえまなく偽り品にブランド埋めて独房の空仰げばかなし
元歌86 有為無為窮めがたくも一日過ぎぬ夕日は赫く山に流れて
パロ歌 山頂を極めたくても半日過ぎぬ我腹空きて山に響いて
元歌85 今日はゆき形きまらぬ明日に合はせ真闇に横たふ躬に雪つもる
パロ歌 今日はパロ歌きまらぬ明日に延ばし目の前に横たふ歌にイラつのる

元歌84 ふとふれし掌の感触は杳き日の温もり共に老いしか
パロ歌 ふとふれし腹の触感は杳き日からの脂肪共に食いしか

元歌83 風一陣枯葉舞はせてぬける小路薫菊ひともと凛と光り耀ふ
パロ歌 前首退陣(のき)チルドレン捨てぬける泉色浮き出る安倍一時凛と光り耀ふ
元歌82 陽に誘われ人なき小径をさまよえば萩肩にこぼれ秋思深まる
パロ歌 花に誘われ道無き小藪を彷徨えばダニ頬に這い背筋が凍る
元歌81 渡ることかなわぬ川の岸に立ち瞠る少女の眸燃えをり
パロ歌 登ることかなわぬ山の麓に立ち怯え男の眸萎えをり
元歌80 雑草(あらくさ)を抜きて独語をのせて捨つ咎む耳なき朝の安らぎ
パロ歌 笹薮を漕ぎて独語をのせて行く獣臭無き山の安らぎ
元歌79 刻一刻重ねて過ぎし五十年旅路それぞれ集へる級友
パロ歌 濃くより濃く重ねて塗りし五十年小皺それぞれ集へる口元
元歌78 言わでもの言葉放ちて別れ帰し頬に冷たし舞う花吹雪
パロ歌 吹き出物血膿放ちて萎み帰し頬に貼りたし熱さまシート
元歌77 新しき価値を求めて純白の昿野さまよい夕茜みる
パロ歌 新しきルート求めて純白の山々まよい幻覚を見る
元歌76 実(まこと)述べ自他を傷つく適当にかわせばむなし言葉などいらぬ
パロ歌 コクワ食べ尻を痒がり適当に浴せば消えし薬などいらぬ
元歌75 視界断ちうづたかく積む雪の下音たて流るヽ川の執念
パロ歌 業者達うづたかく積む袖の下音立て崩れるバブルの遺産
元歌74 白銀に星瞬きて裸木こごえそしらぬ顔に木枯も過ぐ
パロ歌 白銀に転がりて顔や手凍えそしらぬ顔にスキーヤーも過ぐ
元歌73 雪に照る陽光束の間自由化を偲ばせ翳れば軍政の嵐
パロ歌 木に生えるキノコの束を袋に偲ばせ食せば嗚咽の嵐
元歌72 悔いなくて今日一日は在りしかと見返る我に霰のつぶて
パロ歌 酒なくて今日一日は正気かと帰宅る我に誘いの電話
元歌71 バイバイと手を振り喚ばふ孫の声山に吸はれて粉雪となりぬ
パロ歌 バイバイと札を振り買う宝くじ他人(ひと)に当りて紙くずとなりぬ 
元歌70 哀しきは夢失いし友の目の虚空に向けし定まらぬ線
パロ歌 哀しきは脂肪太りし友の腹虚空に向けし定まらぬへそ
元歌69 終戦の告知聞きし日の蝉しぐれはかなきものは汝のみならず
パロ歌 食中り告知聞きし日の腹痛に吐かなきものは吾のみならず
元歌68 幼な児の祈る形に合わす掌より未来とび立ち空を明るむ
パロ歌 テロリスト狙う獲物に合わす掌より未来を砕き空を焼き焦ぐ
元歌67 目にしみる若葉のいのち我も経しやがて静かに地に還るとも
パロ歌 身にしみる落葉のいのち我も来しやがて朽ちいて新芽に還る
元歌66 波静か白帆浮べる碧き海汚濁も虚偽もうけつけぬがに
パロ歌 日本海国旗掲げる孤島上史実を曲げてうけつけぬがに
元歌65 クロッカスの紫浮かべ雪消水春の陽とらへはしゃぎ揺れおり
パロ歌 ヤチブキの黄色を濡らし雪消沢春の色とらえ奏で流れる
元歌64 一瞬の笑いを交わして横断歩道友さかりゆき信号変わる
パロ歌 すれ違い会釈を交わし熊の糞登山者去りて顔色変わる
元歌63 人の世の営為の愚かさ転変のはげしさひそめ雪降り続く
パロ歌 ロートルの山行(やま)の愚かさ天候の変化を読めず雪降り続く
 乳頭山の43人は人騒がせですね。GPS持って無かったのでしょうか?そういえば、43人はnew父さんでなくold父さんだったようですね。
元歌62 知らぬげにそむけてすぎし面ありてかけたき言葉宙に凍りぬ
パロ歌 忘れない忘れもしない面ありて思わず言葉迸り出る
元歌61 隠し持つ棘もて刺すは親なりと誘いしは何花咲く庭に
パロ歌 影慕い憧れ持って眺むれど漏らさぬは何学びの庭に
元歌60 とまどうは君の言葉か我が心か共に渡りし橋朽ち果てて
パロ歌 よろこぶは君の励まし我が努力共に受かりし勉強の果て
元歌59 時雨去り雲間もれくる陽をうけてななかまどの朱きわまりて秋
パロ歌 若さ去り人選もれくる首うけてリストラの末去り行ける夢
元歌58 かたくなに聞くを拒む今日の雲彼方に輝く陽のあらむものを
パロ歌 寛大に意見を入れる明日の卒業式(しき)生徒の輝く未来を信じ
元歌57 諦めにかすかな望みおりまぜて幼な子のごと花輪編みつぐ
パロ歌 喜びにかすかな不安おりまぜて彼氏のごとく笑顔振り撒く
 随分、昔に忘れてきた感情です。
元歌56 野の花の無名ことさらいとしくて触るれば羨し蕊のかたさよ
パロ歌 野の茸無名ことさらうたがいて触るれば羨し傘のかたさよ
 一寸、問題かな・・
元歌55 車上より我を挙げよとよばふ声風に追われて坂下り行く
パロ歌 頭上より我を挙げぬと吹き荒れる吹雪に追われ山下り行く
元歌54 隔つるは距離にあらね降りしきる雪君と吾とのあはひ遮ぎる
パロ歌 隔つるは掲示にあらねサーバーの不具合君と吾とのあはひ遮ぎる
元歌53 赤道を越えし一瞬夢の中今秋風の空港に立つ
パロ歌 陽だまりを越えし一瞬森の中今地吹雪の山頂に立つ
元歌52 わが知らぬ言葉撒きつつさんざめき瀰生の街を乙女等の行く
パロ歌 わが知らぬ英語撒きつつさんざめき小樽の街をMP等の行く
 一挙に、戦後に戻ってしまいました。
元歌51 億万の此の世の悩み浄化して地にもどすがに雪降りつづく
パロ歌 億万の此の世の命昇華して無にもどすがに死の灰(はい)降りつづく
 アメリカは何故、原爆を1回で十分だったのに、2回落としたんだろうとズーッと思っていました。その答えは、広島に落とされたのはウラン型、長崎のはプルトニューム型原爆と聞いて、アメリカは2つの型をテストしたかったんだと悟りました。原爆は悲しすぎます。エノラゲイには神も正義も見当たりません。違うご意見の方がおられたら一度、原爆資料館を訪ねることを希望します。
元歌50 陽は今し西山に没り空白の刻(とき)はじまりぬ風簫々と
パロ歌 陽は今し東山に昇り満ち足りた刻はじまりぬ街燦燦と
元歌49 揺すりおとす物も今はなくひたすらに青恋ひて裸木うちふるう
パロ歌 掻きおとす毛も今はなくひたすらに毛恋ひて裸頭うちふるう
 毛の無い人すみません。
元歌48 なつかしみ木曽路を行けば柿の実は枝もたわわに秋の陽はじく
パロ歌 なつかしみ冬路を行けば樺樹氷枝もたわわに冬の陽はじく
元歌47 あの丘の頂きめがけ走り行き青き虚空にとびこみてみたき
パロ歌 あの海の浜辺めがけて飛んで行き青き虚空に浮かびてみたき
元歌46 述べたきに機をはづされしこの願ひ空に放てばこの星月夜
パロ歌 延べ棒に機をはづされしこの願ひ闇に放てばこの新月夜
元歌45 華やかに潮まつりの幕閉ぢてサルビヤの朱に秋風わたる
パロ歌 華やかな夏山の幕閉じてワタスゲの白に秋風わたる
元歌44 怱ちに土崩れさす機械の手人々ほうけてただ見つめおり
パロ歌 忽ちに雪崩れさす春の日に登山者ほうけてただ見つめおり
元歌43 咲き誇り光放ちし白牡丹満ち足れるさまに静に崩る
パロ歌 先尖り眼飛ばす成人の満ち足りぬさま羽織に包む
元歌42 我が腕に鋤おろす力まだありと知りてしみじみ土の香をかぐ
パロ歌 我が足に山登る力まだありと知りてしみじみ花の香をかぐ
元歌41 背に享けし春陽の温みやはやはと胸の翳もくまなくてあれ
パロ歌 身に享けし辞令の冷ヒシヒシと胸も心も死に絶えてあり
元歌40 春の雪玉とふくらみ雫して澄む空映す黒き凍て土
パロ歌 裏の金玉とふくらみ選挙して澄む空映ず黒き風土か
元歌39 一日の営み終えて横たはる褥に語る他人(ひと)に告げぬこと
パロ歌 一日の山行終えて横たはる褥に語る咲花(はな)の出会いを
元歌38 語り果て驕る心も口惜しき胸も陰りて秋深み
パロ歌 変わり果て弔う心も口惜しき若さも陰り老い深み行ゆく
元歌37 「飛騨の里」落葉の中に静もりて合掌作りに雪降る日近し
パロ歌 「北の山」落葉の中に静もりて櫛歯の尾根に雪降る日近し
元歌36 老人二人落葉掻きよせ焚く煙添いつ離れつやまに溶けゆく
パロ歌 議員と秘書が札束集め黒い霧添いつ離れつ闇に溶けゆく
元歌35 感動のなきて過ぎゆく一日に夕風運ぶ焼魚の香を
パロ歌 感動のなきて過ぎ行く山行に夕暮れ燃えてダブルの虹を
元歌34 新生の児等並び居る室内は白きの中に華やぎてあり
パロ歌 新芽の草等並び有る大地は残雪(ゆき)の中に躍りてあり
元歌33 夏休み訪れし娘等物煮つつ笑いさざめき厨華やぐ
パロ歌 夏休み訪れし生徒等物煮つつ笑いさざめくテン場華やぐ
元歌32 鎌の刃をぬらす朝露陽に光り名もなき草の美しき刻
パロ歌 スパッツをぬらす濃霧漂いてギンリョウソウの美しき刻
元歌31 幸福を平凡の語とおきかえて日暮寂しくも米とぎており
パロ歌 出向を給料の語とおきかえて日暮空しくも仕事しており
元歌30 労働歌ヒュプレヒコールも風と去りひとり行く道今日はメーデー
パロ歌 山の歌熊の鈴音も風と去り二人行く道山開きの日
元歌29 目かくされ手のなる方へさぐりゆく鬼となりても楽しかりしを
パロ歌 目かくされトレースの方へさぐりゆく雪となりても楽しかりしを
元歌28 水たまり一ひらの雲湧きいでて春光ゆらぐじっと見ており
パロ歌 雲間から一束の光漏れいでて湖面の揺らぎじっと見ており
元歌27 シクラメン背筋ひときわのばし立つ窓辺にやさし春のくちづけ
パロ歌 カタクリの恥じらいながらうつむいて水辺にやさし春のくちづけ
元歌26 精一ぱい華やぐ街をただひとり歩き歩けば裡なる暗さ
パロ歌 精一はい静寂の森をただひとり走り走れば青なる水面
元歌25 夕映えに向いていそぐ坂の街降りて何かを手中に納む
パロ歌 紅葉に向いていそぐ香しいの木登りてコクワを手中に納む
元歌24 緑内障悩み秘めつつ茶器たぐり笑みてもてなす旧友のかなしさ
パロ歌 金欠症悩み秘めつつ伝票たぐり引きつりもてなす旧友のかなしさ
元歌23 山中の小道たどれば晩秋の紅青空もうつし
パロ歌 山中の熊糞みれば晩秋の実々ドングリものぞく
元歌22 尾根沿いに流れる霧のかいまより一瞬見しは日おもての峰
パロ歌  サツ沿いに流れる黒霧(キリ)のかいまより一瞬見しは裏帳の金
元歌21 炎天下笹の実とりに山路ゆくあの日聞きたり国敗れたるを
パロ歌  炎天下涼を求め山路行くあの日聞きたり尻破れたるを
元歌20 難儀せず登れんと足かけたけれど険しき道よこの山道は
パロ歌  難儀せず入れんと受けたけれど厳しき試験よこの大学は
元歌19 朝夕に水を注ぎて芽生え待つ育児も遠き過去なる吾は
パロ歌1 朝夕にメールを送りてレスを待つ高校も遠く過去なる俺は
パロ歌2 朝夕に空を仰ぎて晴れを待つ山行も遠き地図みる吾は
元歌18 空港に向ふ高速道路ばた名もなき草に春の色あり
パロ歌 宴席に向う丸テーブル席名を忘れた友に古の顔あり
元歌17 ひとふゆのよごれし雪つむ庭すみに蕗のとう一つそっと手をふる
パロ歌 退職のよごれし書つむ片隅に孫の写真がそっと微笑む
元歌16 山あいの川に枝かざす裸木の芽ふくらみし早春の午後
パロ歌  雨降りの女に傘かざす恋愛の芽ふくらみし薄暮の校舎
元歌15 スピードと力で雪けり宙に弧描く美しきかなジャンプ大会
パロ歌 スピーカーと金で行きけり空しく過ぎる醜きかな衆参選挙
元歌14 凍てつく夜家路を急ぐわが胸に友と語りし余情ぬくめり
パロ歌  別れの夜梯子で急ぐ次の店友らと飲みし付け冷たく残る
元歌13 指折りて新しき年待つ幼き日ふとなつかしき冬日さす窓
パロ歌  板折りて新しき板待つ好天気ふと気が緩む吹雪うつ窓
元歌12 夕日さす枯野の丘のそのはてに紺碧の海光りて淋し
パロ歌  閑古鳴くススキノ市街そのはてにネオンの海の光りて淋し
 不景気ですね。つくづく思います。
元歌11 棚により語らい楽しむおとめらに並木の紅葉ひとしほ燃えぬ
パロ歌 右により戦争楽しむ議員らにイラクの爆弾ひとしほ裂けぬ
 独裁者は論外ですが、殺し合いもしないで欲しい。
元歌10 ぬかるみに足をとられつつわけいりし笹やぶのはてに平けし北海
パロ歌 裏金に良心とがめ告白の真実の果てに平けし道警
元歌9 みぎひだり雪を頂きそびえたつロッキー山脈太古の謎秘め
パロ歌 アルバイト金を頂きしょげかえる中年男職歴の謎秘め
 先生に山を取れれたので、昨今の不景気で、一流企業でお払い箱になり、流浪する男にしました。
元歌8 山深きいでゆの里の朝まだき夢かうつつか川のせせらぎ
パロ歌 猛吹雪出でた里路の口まだき幻か実かの道の騒音
 先生は緩やかな時間に流れ、私は荒れた時間に流れています。
本歌7 風わたりリラの花散らす板塀にはためく主任制反対のビラ
パロ歌 風すさびイヌの尿散らす鉄柱にはためく立ション迷惑のビラ
 この頃、イヌの侍が嫌われていますね。侍は大小(~_~);いずれ、ラストサムライになるかも・・・・
本歌6 病院の待合室の喧騒の窓外にリラの紫あざやか
パロ歌 家庭の茶の間の静寂の窓外に夫の青たんあざやか
 やーネ 誰が夫を殴る妻がいるものか。
本歌5 天草のパールラインを旅すれば島原の乱あともとどめず
パロ歌 高校の同期写真を見返せば風に乱れた髪もとどめず
 申し訳ありません。訳がわからない人もいるかと思います。髪のある人はワケラレル・・・重ね重ね申し訳ありません。
本歌4 今日もまた小樽の海は波静か空の青さよ雪の白さよ
パロ歌 明日もまた我が家の中は波高し妻の強さよ我の弱さよ
 私の家ではないのですが、誰かさんのお家はこんな状態のところありませんか(~_~);
本歌3 軒先のつらら日増しに太りゆき御伽の国の宮殿のごとし
パロ歌 はらわたの脂肪日増しに太りつつあの世の国の御世のごとし
 皆さん、良く腹に手を当てて反省願います。
本歌2 沈黙の部屋にかすかに教え子等の答案を走るペンの音聞ゆ
パロ歌 静寂な木々にかすかに小鳥等の梢を揺らす鳴き声聞こゆ
 先生は皆さんが出す音を心地よいと思ったのでしょうね。私は逆に皆さんが、鉛筆を走らせる音に圧倒され、心地良くは感じませんでした。自分だけが出来なくて、また、30点台かと・・・小鳥の方がよっぽど心地良いのに、山の連れて行って聞かせてあげたかった。私も誰かさんと誰かさんのお陰で木に登ってしまった。
本歌1 午後の陽のぬくもりを背に感じつつ向けしまなこに紅葉あざやか
パロ歌 母の手のぬくもり肩に感じつつ向き見る顔に口紅はなし
 やっぱり、男と女は感じ方が違うんだなと思いました。先生は女で、私は母を思う子供の男ということでしょうか。口紅なんか付けたことがない母の手は世界中で一番のぬくもりでした。
2004年3月4日