オコタンペ山(967.9m 三角点:大丹別)

 ポイント
 恵庭岳が間近に、真っ白に凍結したオコタンペ湖が眼下に見える。
 オコタンペ山はHYML仲間の愛称だが、オコタンペ湖やオコタンペ川の源流の山には違い無い。三角点名「大丹別」とは異なるが、素敵な名前なので、オコタンペ山と呼びたい。
漁岳林道ルート

 アクセス
 国道453号線を支笏湖に向かって走ると、漁川に架かる奥漁橋を渡った右手に駐車スペースがあり車を入れる。
 国土地理院地図 GPSは「2009.3.3」の地図帖へ  周辺地図
 3月3日<2009(H21)年 往復スノーシュー5.729km 登り746尾根2:25 下り811尾根1:19>
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
 国道の反対側に渡って、漁岳林道の入口で、準備をする。林道の入口から良く踏まれたトレースを辿ると、取り付く予定の尾根が目の前に迫り、その尾根の奥に白い880m峰が見えてくる。そのまま、真っ直ぐ尾根に向かう予定だった。トレースも左に鋭角に付いているが、日曜日にHYML仲間のKさんがスキーでモー娘さんとtattiさんがスノーシューで辿ったのだが、どうもスキーのトレースには見えなかった(正解はこのトレース)。それと、目の前に出て来た暗い松林を避け、もう少し奥から取り付くことにする。真っ白な漁岳の峰を見ながら、奥に進んで行くと林道のゲートが現われる。
漁岳林道入口 880m峰が 漁岳の峰が 林道ゲート
 ゲートを通り過ぎて、手頃な所から尾根に取り付く。取り付く予定だった尾根を隣りに見ながら、急登を喘ぎながら登って行く。登っている途中で恵庭岳の岩塔や支笏湖、キムンモラップ山、モラップ山、イチャンコッペ山が相次いで見えるようになり元気をもらう。
急登を 恵庭岳の岩塔 支笏湖とモラップ山 イチャンコッペ山
 尾根に上がると雪庇の付いた痩せ尾根になる。何時の間にか、数日前のスノーシューズとスキーのトレースが見られるようになる。きっと、林道の入口から左に曲がって登った人達のトレースだろうかと思いながら登って行く。雪庇の上を避けながら、極力、木立側を登って行く。目の前に880m峰が近づきだすと、恵庭岳も大きく迫ってくる。
雪庇の付いた尾根 雪庇を避けながら 880m峰が 恵庭岳
 一息つきながら、振り向くと、真っ白な漁岳、谷間の真ん中に空沼岳、右に様茶平が見えていた。
                     ←大
漁岳               空沼岳              様茶平
 目の前には恵庭岳の肩越しに支笏湖が顔を出し、その回りに、紋別岳、シリセツナイ山、モラップ山、キムンモラップ山が見えていた。暫し、平らな尾根を辿って行くと、恵庭岳が見え出し、平らな尾根は藪の雪庇に変わる。
支笏湖を 平らな尾根を 恵庭岳が 藪の雪庇
 尾根を辿って行くと、トレースの主が踏み抜いた穴がぽっかりと開いていた。覗いて見たら、かなり深いので、後続者が良く見えるように、穴の縁をストックで突っつき大きくしておく。尾根には木が張り出しているので、極力、木の中側を辿るが、どうしても木を避けなければならないところもある。
深い穴 木の張り出し尾根 木の中側を 木を避けながら
 再び、支笏湖が見えるようになり、尾根越しにも、真っ白な山頂が見え出す。目の前には880m峰が立ちはだかってくる。再び、急登になってくるので、一息入れながら登って行くと、イチャンコッペ山は丸見えになり、その手前に幌平山があった。
支笏湖を 山頂を 880m峰 イチャンコッペ山
 登るに連れ、支笏湖が恵庭岳の陰に隠れ小さくなったり、キムンモラップ山やモラップ山が見えなくなってくる。その分、紋別岳が大きさを増す。急登の尾根越しには恵庭岳が間近に見えてくる。雪庇の付いた尾根を見上げると、雪庇の上が木々でかなり狭くなっていて、トレースは尾根を外し、雪庇の下を辿っていた。われわれは、あくまでも雪庇の上を辿り、急登を登る。
支笏湖を 恵庭岳を 880m直下の雪庇 急登
 880m峰への急登を登り切ると平らになり、目の前に大きく恵庭岳が現れ、イチャンコッペ山、幌平山、紋別岳、シリセツナイ山も一望される。
                               ←大
イチャンコッペ  幌平  紋別 シリセツナイ      恵庭
 支笏湖は高度が上がったためか少し大きく見え、幌平山沿いには国道453号線が伸びていた。平らな880m峰のピ−クからは、真っ白な漁岳や山頂が見え、支笏湖の西端も顔を出してくる。丁度、恵庭岳の左右に小さく支笏湖が見え、何か窮屈そうに感じる。
 風景に気を取られていたが、後を見ると愛棒がいない。まだ、上がって来ていないことに気が付く。慌てて、戻り、呼んでみるが返事が無い。仕方が無く、再び、下ろうとしたら上がって来た。どうやら、溝に嵌って少し滑り落ちたようだった。何事もなくて良かったと胸を撫で下ろす。スノーシューにクランポンを付けておけば良かったとつくづく思う。
支笏湖を 漁岳を 山頂を 支笏湖を
 880m峰からコルに下り、真っ白な山頂を見上げるが、結構、険しく見える。880m峰を振り返ると、また、愛棒が遅れていた。登って行くと、主稜線の反対側に丹鳴岳が顔を出してくる。恵庭岳をみながら愛棒を待つことにした。その間、何処からとも無く人の声が聞こえてくる。
山頂を 880m峰を 丹鳴岳を 恵庭岳を
 二人で、真っ白な山頂を見上げると、トレースが乱れていて、登り下りにてこずったような跡が見える。小さくジグを切りながら登って行くと、主稜線越しに真っ白に凍ったオコタンペ湖が見え、感激する。支笏湖の西端も見えてくる。山頂に着くとオコタンペ湖が眼下に見える。
山頂を オコタンペ湖を 支笏湖 オコタンペ湖を
 山頂に着いて、天気の良いうちにと思い、パノラマを写す。石狩平野は霞んでいたが、野牛山や北広山(島松山)らしき山影が遠望され、3つコブのイチャンコッペ山、手前に幌平山、支笏湖の岸に紋別岳とシリセツナイ山が見えていた。
                     ←大
石狩平野  野牛 北広          イチャンコッペ 幌平 紋別 
 大きく聳え立つ恵庭岳の両端には支笏湖が分かれて見え、湖の対岸には多峰古峰山が見えていた。
                     ←大
紋別 シリセツナイ        恵庭岳             多峰古峰 支笏湖
 真っ白く凍りついたオコタンペ湖側には、遠くに徳瞬瞥岳、ホロホロ山が、間近に丹鳴岳、三角点:振丁、フレ岳、小漁山と続いていた。
                     ←大
徳瞬瞥 ホロホロ 丹鳴  オコタンペ湖 振丁 フレ      小漁
 主稜線の奥には真っ白な漁岳が見えていた。パノラマを写し終え、山頂でココアを飲みながら休もうとしたら、木にカラスが数羽止まっていたので、集られたら大変なので下がって休むことにする。また、何処からとも無く人の声がする。どうも、880m峰側からのようだが、探すが見当らない(後で分ったのですがHYML仲間の坂口さん、タカさん、エバさんの豪華メンバーでした)
                     ←大
小漁岳               漁岳
 帰りは、登り返しの無い811の尾根を下ることにして、愛棒を残して尾根の状況を見に行く。山頂の反対側は木立が邪魔にならず「漁岳」が丸見えだった。尾根を少し下って山頂を見上げると、愛棒が心配そうにこちらを見ていた。登って来た746尾根よりも狭いが、傾斜が緩そうだったので下ることにして、ゴーサインを出す。少し傾斜が緩く感じる雪庇の付いた痩せ尾根を下って行く。驚いたことに、この雪庇の上をスキーで下ったトレースがあった。滑り下りたトレースからすると、上手な人だと感心する。振り返ると、愛棒は少し遅れて下ってくる。
漁岳 山頂を 雪庇の付いた尾根 山頂方向を
 恵庭岳や尾根の延長線上に出て来た様茶平を見たり、山頂を見上げながら愛棒の下って来るのを待つ。暫く、平らな尾根を辿ると、緩やかな登りとなり、811mは小さなコブだとわかる。
恵庭岳 様茶平 山頂 平らな尾根に
 811mのコブから山頂を見上げ、コブを越えると尾根が狭くなってくる。遂に、尾根を辿るスペースが無くなってしまう。スキーのトレースも尾根を諦め、斜面を滑り下りていた。スキーのトレースはどうやら3人らしいが、一人だけ滑りが違って見えた。われわれも、尾根を諦め、テレマーク姿勢でスノーシューズで滑り下りる。写真を写すのを忘れてしまうくらい夢中で滑り下り、気が付いたら、林道が間近に見えて来た。やれやれと思い、林道に合流しすると、「漁岳」に向かったと思われる新しいトレースが付いていた。
811mのコブから 尾根が狭く 林道から尾根を 林道を返る
 漁岳林道を辿り、今朝、尾根へ取り付いたトレースを見ながらゲート通り過ぎる。林道の入口近くになったら、朝、誰も辿った跡の無かったトレースの上に真新しいトレースが付いていた。このトレースの主こそがHYML仲間の坂口さん、タカさん、エバさんだった。

 =スノーシュー考=
 日本人は単数と複数を曖昧に考えがちだが、最近のお菓子業界は「スイーツ」と複数扱なので感心している。一方、スポーツ関係者はスノーシューと単数で呼ぶ人が多いが、英語では「スノーシューズ」と複数で呼んでいる。最初は私もスノシューズと複数で呼んでいたが、最近は世間の常識に抗し切れずにスノシューと呼ぶようにした。このスノーシューにも種類があり、一長所短所があるので、自分の用途に合った機種を選ぶ必要がある。
 私はフレームがクランポン(爪:アイゼン)の役目をする横滑りに強い機種(MSR LIGHTING ASCENT SNOWSHOES)を使っている。この機種の欠点は間違って片方のフレームを踏むとフレームに歯があるので、踏まれた方は持ち上がらない事態になる。慌てると転んでしまうので、崖縁などではミスステップは命取りになる。この点だけなら、以前使っていたパイプのフレーム(TUBBS SNOWSHOES MUNTAIN 25)ならミスステップしても何とか持ち上がってくる。しかし、パイプのフレームは横滑りに弱い。
 愛棒のスノーシュー(TSL 225R Rando)はポリプロピレンのフレームで、ヒールがワンタッチで固定(ヒールブロッカ)出来るタイプだ。ヒールを固定すれば、スキーの様にサイドステップしたり、後退したり、倒木越えが楽に出来る長所がある。しかし、裏にスパイクが付いてはいるが、カリカリ斜面には弱い。機能強化のためにワンタッチでクランポン(爪:アイゼン)を付けられるようになっているが、このクランポンは金属が剥き出しなので雪が付き易く、何時もは外して持ち歩いている。カリカリ斜面の時には付けた方が良かったかと、反省している。それで、金属製のクランポンに雪が付き難くするように、簡易アイゼンのようにフイルムを付けようと思っている。
 スノーポンは、カンジキの様な機能なので下りでヒールが使えて楽だが、雪を跳ね上がるので後ろが雪だらけになることもある。

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 二人の山行記録 (遊びの時間含む)
 2009(H21)年3月3日(火) 晴れ後曇り ラッセル殆ど無し 往復スノーシュー5.729km 登り746尾根2:25 下り811尾根1:19
 7:44駐車場所→7:51ゲート→7:53尾根へ→8:50P746→9:35P880m9:41→10:09頂上10:15→10:45P811→11:10林道へ→11:25ゲート→11:34駐車場所