松倉岩(711m)小樽峠(三角点:697.2m)   

 ポイント
 基本的には作業道を辿るので、迷うことはないが、小樽峠から松倉岩までは平坦な地形なので、吹雪いた時には注意が必要だ。松倉岩は一見の価値がある。途中の赤岩は意外と目立つ存在だ。
奥沢本線作業道ルート
=写真をクリックすると大きなサイズになります=

 アクセス
 小樽の奥沢十字路を山側へ何所までも真っ直ぐ行き、奥沢水源池を目指す。天神浄水場の門の傍に駐車スペースがある。駐車場所は奥沢本線作業道(天神・常盤線)の入口になる。天神・常盤線は古のバス路線だった。
 国土地理院地図 GPSトラックは「2007.1.5」の地図帖へ 周辺地図
 1月5日<2007(H19)年 往復スキー18.700km 登り4:33 下り1:54>
 昨年の12月23日に穴滝へ行くときに辿った天神・常盤線の入口をスタートする。今日は、スキー板にシールは付けず、ウロコ板で行ける所まで行くことにする。ワックスは粉雪用を使ったので、ガリガリ雪に合っているようだ。順調に、登りでも前に滑りながら上がって行く。雪道は何か所か水が流れていて、跨ぎながら進むが、最後に板のテールを水に漬けてしまう。板が凍り付いて、いきなりブレーキがかかる。その分、登りで板が後に下がらなくなったので、そのままにして登る。
 穴滝が近くになり、勝納川の流れを見えるようになると、対岸に氷の鼻?足?がぶら下っていた。左側を見ると藪から太陽が顔を出すところだった。地図で、大登山に分岐する道を探すが、確認することは出来なかった。少し登ると、於古発山が朝陽に照らされて赤く見えていた。
天神・常盤線の入口 氷の鼻 藪から太陽 於古発山
 遠藤山も見えてくるが、山頂近くは少しこんもりとしていた。右の岩壁越しに673m峰が見えるが、結構山らしい形をしている。遠藤山方向ばかり気にしていたら、突然、赤岩が見え出す。恐竜の様にこちらを睨んでいるようにも見える。道は赤岩を背に登って行くと奥沢5号線の分岐に差し掛かる。この道が大登山の赤井川林道に繋がっているようにも見えるがどうだろうか。
 一息入れながら、小樽峠への道を見ると、少し急になってきたので、シールを貼ることにする。スキーのテールには氷の膜が付きっぱなしだったので、爪で掻き落とし無事シールを付ける。
遠藤山 637m峰と岩壁 赤岩 奥沢5号線分岐
 シールを付けたら途端に、スキーが重くなった。どうやら、シールをザックに入れていたので、雪を解かして凍らせししまったようだった。それでも、我慢して登って行く内に、シールが雪に馴染んでくれたようだ。大きくUターンして、進路が小樽側になると、また、赤岩が見えてくる。小樽港に停泊していたカーフェリーも防波堤を越えて出港して行くところだ。ようやく、平らな小樽峠に到着すると、目の前に、送電線が見えてきた。送電線の下は広く刈られているので、南側の見晴が良い。
大曲と天狗山 赤岩 小樽港 小樽峠
 送電線の下からは羊蹄山が霞んで見える。小樽峠から作業道を辿らず。三角点「小樽峠:697.2m」を目指す。三角点「小樽峠」は平らで何処が最高地点か分からなかったが、一応写真に写す。三角点「小樽峠」の山頂から松倉岩が見えるだろうと、期待していたのだが、残念ながら見ることはできない。何か物足りなくて、松倉岩方向に下って行く。やがて、コルになり、先程の作業道に合流する。緩傾斜を辿って行くと、突然、岩塔が林の中に現れる。紛れも無く、松倉岩だと直感した。早く、松倉岩を見たいとは焦るが、大きいのか近くに見えるのだが、なかなか着かない。少し傾斜がきつくなると、松倉岩を横から見るようになる。
羊蹄山 三角点:小樽峠 松倉岩が 松倉岩
 岩や溝と思われる、起伏を超えながら岩の基部に到着する。奥沢からはチューリップの様に見える正体を目の当たりにして満足だった。真っ青な青空の下で、暫し呆然と大きな口を開けながら、大きな岩を見上げていた。余りに大きいので1枚の写真に納まらない。仕方が無く、2枚に分けて写す。何とか1枚に収めようと、南側の岩に登ると南側には余市岳、ニセコの山々を遠望することが出来た。残念ながら羊蹄山はガスって見えなくなっていた。
西側の岩 東側の岩 余市岳 ニセコの山々
 積丹の山々も何とか遠望出来た。振り返って、松倉岩を写そうと思ったが、まだ、距離が近すぎて1枚に納めるのが大変だった。
 松倉岩が真正面に見える岩の上に陣取って、粗末な昼食とする。何とか、松倉岩の上に登りたいと思ってルートを探す。まず、二つの岩の真ん中になるルンゼ状の所から取り付き登れるようだが、私には余りにも危険すぎて、ただ口を開けて見ているだけが似合っていた。
積丹の山々 西側の岩 東側の岩 松倉岩の全景
 昼食を終えて、岩に近づくき岩のテッペンを見上げると、一段と威圧感があり、誰かに見下げられているようだ。岩にはとても登れそうに無い。東側の岩の窪み(チムニー状)に鉄で出来た鳥居?金具?を発見する。どうやら祠のようだが近くまでは行かなかった。岩の下から見る限り、西側の岩は丸く小さな岩が多く、東側は四角く大きな岩が集まっているようだ。
東側岩のテッペン 東側の祠 岩下から西P 岩下から東P
 帰りがけ、松倉岩を一周しようと思ったが東側は結構藪のようだったので、北側を覗いて「再会を誓い」別れを告げることにする。北側からは小樽港も木立ち越しにみえていた。岩のテッペンに上がると遮る物は何も無いようだ。
 帰りは、三角点「小樽峠」に寄らずに、トラバース気味に真っ直ぐ作業道を辿る。688m峰の山腹を下るときに小樽港が遠望できた。赤岩にも別れを告げて、初心者には丁度良い作業道を滑り下りたり、歩いたりして無事駐車場所に戻る。丁度、パトカーが巡回してきて、帰るところだった。
松倉岩から小樽 北側を見ながら 小樽を遠望し 赤岩に別れを

 =松倉鉱山=
 1936年(昭和11年)に赤井川村の小樽松倉鉱山が稼働し、六方晶系 ミメット鉱[砒酸塩鉱物:Mimetite:Pb5Cl(AsO4)3]を産したようです。「中央バスの小樽市内バス案内図 昭和28年」 に「松倉鉱山終点」のバス停が載っていますので、それ以降に閉山したのでしょうか。
 =松倉岩に祀ってある物
 帰ってきて、松倉岩の前に祀ってあった鉄製の物の写真を見たら、リベットが打たれ、ジグザグになっているのが見受けられました。これは、「御幣」でジグザグ部分は「四手」ではと思います。普通の御幣は、木の棒と紙四手で作られていますが、甲冑の兜の後には金属の御幣が付いていたことを思い出しました。
 =小樽峠=
 天神から奥沢本線作業道が今も小樽峠の奥まで続き、赤井川村まで下る道がありましたが、落合ダムが出来てからどうなったか、確認していません。落合丸山に登った時にはダム沿いに道は伸びていました。
 =赤井川林道=
 地図には穴滝の直ぐ南側から大登山へ道が描かれていますが、穴滝の取り付きを確認できませんでした。この道を辿れば、穴滝の上に出られ、上から滝を見ることが出来るかもしれません。
 作業道から奥沢5号線(1,779m)が分岐しますが、方向は大登山へ向う林道に通じているのではと思いますが、確認していません。

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 二人の山行記録(遊びの時間を含む)
 2007(H19)年1月5日(金)晴れ 往復スキー18.700km 登り4:33 下り1:54
 7:03駐車場所→7:26白井沢林道分岐→7:37奥沢1号線分岐→7:56奥沢2号線分岐→8:21奥沢4号線分岐→8:34穴滝分岐→9:54奥沢5号線分岐10:03→10:47小樽峠→11:07三角点:小樽峠→11:36松倉岩12:16→12:47小樽峠→13:00奥沢5号線分岐→13:18穴滝分岐→14:10駐車場所