北白老岳(草笛山944.9m)

 ポイント
 旧道の滝笛峠から尾根に取り付く。東側が崖になった雪庇の発達した尾根を登る。尾根は結構な藪になっているので、藪の無い雪庇の上を登りたくなるが、雪庇の崩落に気を付けよう。展望は白老岳よりも良く、支笏湖方面も見える。三角点名は白老岳。
 《南白老岳があるのに北がないので、勝手に北白老岳としたが、草笛川の源頭の山であることから、草笛山と呼ぶ人もいる。》
滝笛トンネルルート

 アクセス
 支笏湖から、276号線を走り、滝笛トンネル左手前に「進入禁止」の看板がある除雪車の旋回場所がある。邪魔にならないよう、隅に停めさせていただく。そこに階段の付いた緊急連絡用の建物?があり、建物の左側に入ると旧道が現れる。
 国土地理院地図 周辺地図
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
 3月31日<2003(H15)年 スキー 登り2:07 下り1:07>北の山游詩:雪庇の雷
  滝笛トンネルの支笏湖側にある駐車スペースに車を停める。愛棒に携帯電話をするが通じない。仕方が無く、階段の付いた緊急連絡用の建物の階段を上り、左側から旧道を辿る。旧道はまだ、しっかりとしている。後を振り返ると、支笏湖の西側の山々が見える。トンネルの上を自動車の流れを見ながら、通り過ぎて行く。
滝笛トンネル 旧道の状況 支笏湖の山々 トンネル上を通過
 間もなく、橋がありまだ健在だった。その上のカーブは岩が転げ落ち、崩落が進んでいるようだった。雪は今朝降ったのか、大きな結晶で、太陽に照らされキラキラ宝石のように輝いている。
橋梁 崖崩れの場所 動物の足跡を辿る 宝石のような雪
 動物の足跡も見受けられる。美笛峠の切り通しにさしかかると、風がサラサラと雪を運んでいた。振り返ると、切り通しの真中に風不死岳が鎮座している。トンネルができる前は自動車でもこんな景色が見えていたんだと、独りで感心する。
動物の足跡 切り通し 切り通しの中 振り返ると風不死岳
 美笛峠の切り通しを越えてから尾根に取り付き、653m峰に向かう。登っていると貫気別山が目の前に現れる。もう、ここから既に景色が良く、雪庇のある653m峰に上がると更に景色が良い。
 次に、送電線のある758m峰に向かう。653m峰を振り返って見ると、結構雪庇が発達している。終始、風不死岳、樽前山、恵庭岳等を見ながら尾根を辿る。
ダテカンバのヒゲ 貫気別山 653m峰を振り返る 支笏湖の山々
 地図を見ると左側に張り出した尾根があり、そこから登った方が楽なようだった。少し急な斜面を登りきると、大小の鉄塔があり、右にも大きい鉄塔が一つある。良く見るとスキーのトレースが鉄塔沿いに上がってきていた。大滝側から登ってきたのだろうか。残念ながら、樽前山の景色は電線のお陰で台無しだった。758m峰のピークには行く気になれず、下を通過する。
                     ←大
恵庭岳                         風不死岳   樽前山
 870m峰への尾根沿いは支笏湖側が崖になっていて、雪庇が発達していた。雪庇の上を歩くのは怖いと思ったが反対側は藪なので、雪庇の付け根スレスレを登りたい誘惑にかられる。尾根には風紋が刻まれ、登り難いが、風不死岳と樽前山を見て登って行く。羊蹄山も尻別岳を伴なって現れる。
870m峰を望む 風不死岳と樽前山を見ながら登る 羊蹄山と尻別岳が
 870m峰へ上がる途中に、支笏湖とその周辺の山々の大展望が広がっている。
                     ←大
870m峰斜面から支笏湖と山々を望む
 雪庇の形は人や野獣の顔が突き出たスフインクスの様に見え、ついつい近づいてしまう。「近づきすぎては、慌てて藪に逃げる」を繰り返していまう。景色が良いので、不用意に870m峰に上がっていたときのことだった。ストックを刺すか刺さないうちに、雪庇がドスっと鈍く音を出し沈み、ストックの突いたところから割れ目が発生した。吃驚して、藪に逃げる。それにしても支笏湖は綺麗だった。
スフインクスのような雪庇 870mの雪庇 ストックで亀裂が 支笏湖を望む
 870m峰の頂上に着くと、支笏湖とその山々が雪庇越しに見えていた。
           ←大
870m峰から支笏湖と山々を望む
 もう、春なので雪庇が落ちて二段になっている所もある。少々不安になっていたので、藪の中を歩くが、今度は穴に落ちてしまう。どうやら、雪庇が滑って出来た穴のようだ。かなり藪の方にも亀裂が発生していた。一息入れると後ろに羊蹄山と尻別岳が並んで見えていた。頂上を仰ぎ見ると、雪庇の連なった尾根があり結構急だ。南白老岳も相変わらず、鋭い山姿を見せていた。南白老岳の南斜面は、まだ、白いので雪崩は発生していないようだ。
雪庇の穴に落ちる 羊蹄山と尻別岳を 頂上を望む 頂上から南白老岳を
 ようやく、山頂に辿り着くが、山頂も雪庇が発達していて、雪庇の上には恐ろしくて上がれず。雪庇越しに、パノラマ写真を撮る。
                     ←大
白老岳 南白老岳          貫気別 尻別岳   羊蹄山       無意根山
                     ←大
空沼 漁 丹鳴    恵庭岳 イチャンコッヘ山  紋別岳 風不死岳 樽前山
 白老岳、南白老岳には人の姿は見られなかった。今日は羊蹄山が綺麗に見えるなど凄く天気が良かったが、風が強く、風下は雪庇なので、山頂の昼食は断念する。何故かホロホロ山・徳舜瞥山の方角だけに雲が出て近づきそうな勢いだったので、急いで愛棒に電話して、直ぐ下がる。
                               ←大
                     ホロホロ 徳舜瞥山
 頂上を振り返り、恵庭岳や支笏湖を見ながら下って行く。改めて、870m峰の雪庇を見下ろし、安全なルートを考える。653mの小さなコブに下がってみると、風も弱くなったので、風不死岳と樽前山を見ながら昼食にする。
頂上を振り返る 恵庭岳と支笏湖を 870mの雪庇を 昼食しながら樽前を

 =「峠のトンネル定理;必ず旧道がある」考=
 峠を越えるところにあるトンネル近くには必ず旧道がある。
 1.稲穂トンネル 2.滝笛トンネル 3.定山渓トンネル 4.張碓トンネル等だ。みなさんも探して楽しんでください。

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 二人の山行記録 (遊びの時間含む)
 2003(H15)年3月31日(日) 晴れ 新雪5〜10cm スキー 登り2:07 下り1:07
 8:00滝笛トンネル→8:36P653m→9:05鉄塔P758m→9:41P870m→10:07頂上10;1211:03P653m(昼食)11:1711:33滝笛トンネル