喜茂別岳(1182.9m)
コース NTT歩道(廃道) 裏の沢
(新道)
6/19 6/29 10/12

 ポイント
 山頂への登山道は無いが、三角点1176.8mのピークに山頂標識がある。ピークからの展望は素晴らしい。山頂は狭いので、譲り合いの精神で憩う。
 NTT歩道コース:中山峠から緩やかなアップダウンのある作業道(3,520m)を辿ると無線中継所があり、その奥に、砂利を敷き詰めた広い歩道(NTTコース4,165m)の入口がある。幅2mと広い歩道は小さなギャップにも板の橋があり、わずかな登りにも丸太の階段があるなど至れり尽せりだ。トレイルランには最適な登山道だと思う。春先には中山湿原の花を見る楽しみもありそうだ。2016年6月現在は橋や丸太の階段が腐っている所があり、看板類も無くなっていて、道も荒れている。2019年9月現在には完全に廃道になったようだ。
 裏の沢(新道):中岳線(林道)は、中に入るに従い舗装道路になるなど状況は良い。駐車場も完備していて、登山道の入口は少し荒れ気味だが、途中から歩道:裏の沢に上がると幅1.5mの砂利が敷かれた道になり、所々で展望がある。山頂直下はハイマツ帯で高山植物も咲いている。
=写真をクリックすると大きなサイズになります=
 7月1日<2013(H25)年 往復15.540km 登り2:44 下り2:23>
 林道の入口は夏草が道路を覆っていて、憂鬱になるが行ける所まで行こうと思い、砂利道に車を入れる。直ぐに、舗装道路になり、再び、砂利道になるが、整備は行き届いていて入口の状態からは想像できない道路になる。再び、舗装道路になり、草の生えた旧登山道への道を右にやり過ごし、大きく左へカーブして行く。「民有林林道:川上2号線」を左にやり過ごし、送電線を潜ると登山口駐車場に到着するが、「喜茂別岳/登山口」の看板が小さいので、行き過ぎてしまい、退避所でUターンする。
 登山口は駐車場の反対側にあり、余り人が歩いていない様な登山道が延びていて不安になる。道端にはオオバミゾホオズキの黄色い花が咲いていた。
林道入口 登山口駐車場 登山道 オオバミゾホオズキ
 小川状態の所も出て来て、先行きが不安になるが、「歩道:裏の沢」にぶち当たる。分岐には「喜茂別岳」の矢印が設置されている(下山時には見えない)。「歩道:裏の沢」に上がると、砂利道で道幅も広くなる。新道から付いていた轍があったが、この急な分岐も乗り越えて歩道に続いていて、驚く。歩道:裏の沢の両脇には、笹が密生しているので、タケノコが目に付いてしまい、ペースがぐっと落ちてしまう。大きなミズナラの大木も出て来るが、余り目に入らず、タケノコ採りに変身してしまう。
小川状態 旧道分岐 標識 大木
 白樺並木も目に入らず、道端のタケノコを採りながらゆっくり登って行く。途中、分岐する藪道があるが、タケノコ採りには絶好の道なのだろうと思いながら登って行くと、標高850m辺りに、頭に穴の空いた朽木が見えて来る。道端には、ツバメオモトの咲いていた。
白樺並木 右へ 穴の空いた朽木 ツバメオモト
 標高が900m辺りからサンカヨウ、ノウゴウイチゴ、タチツボスミレが目に付くようになる。1062mのコブの稜線に上がると、カーブの所が開けていて、小喜茂別岳が望まれた。
サンカヨウ ノウゴウイチゴ タチツボスミレ 小喜茂別岳
 三角点のピークも辛うじて見上げることが出来た。1062m峰を北側からトラバースする道は、イワミツバやオオカメノキは咲いてはいるがフキロードだった。タケノコ採りで藪睨みになっているので、フキに混ざっているアザミが、時折、刺激をする。
三角点のピークを イワミツバ フキロード オオカメノキ
 1062m峰を通り過ぎ、振り向けば岩稜が見えていた。この岩に挑戦した跡はまだ無いようだった。ハクサンチドリやセイヨウタンポポが咲くフキロードを登って行くと、1110m辺りのカーブから残雪と小喜茂別岳が望まれた。
振り向けば岩稜が ハクサンチドリ フキロード 残雪と小喜茂別
 喜茂別岳の山頂をトラバースしだすと、ハイマツ帯になる。ハイマツの隙間には、ニッコウキスゲ、シラネアオイ、ベニバナヤマシャクヤクが咲いて来る。
ハイマツ帯に ニッコウキスゲ シラネアオイ ベニバナヤマシャクヤク
 山頂を通り過ぎてしまうと、マルバシモツケ、コケモモ、イソツツジの高山植物が咲いていた。ようやく、三角点の山頂に辿り着く。タケノコを採っている時に追い越されてしまった御一行さんと笹刈り隊3名が山頂で憩っていた。機縁写真を撮すため、山頂標識の所を空けていただき、写真を撮そうとしたら、二人一緒に撮してあげると言われ、久しぶりにツーショットの写真になった。男性に、お礼を言って、三角点のピークからパノラマ写真を撮す。
マルバシモツケ コケモモ イソツツジ 山頂(大×)
 並河岳、中岳、無意根山が間近に、定山渓天狗岳、烏帽子岳、百松沢山、神威岳、砥石山が遠くに並んで見えた。
                     ←大
並河岳 中岳  無意根山      定山渓天狗岳    烏帽子 百松沢 神威岳  砥石山
 盤ノ沢山、札幌岳、狭薄山、空沼岳、漁岳、恵庭岳、小漁岳、フレ岳、丹鳴岳が遠くに、小喜茂別岳が間近に見えていた。
                     ←大
盤ノ沢山  札幌岳  狭薄山 空沼岳   漁・恵庭・小漁 フレ岳 丹鳴岳 小喜茂別岳
 白老三山は見えるが、ホロホロ山と徳舜暼山の姿は無かった。貫気別山、尻別岳は辛うじて見え、羊蹄山は山裾だけを見せていた。
                     ←大
白老三山                  貫気別山 尻別岳        羊蹄山
 三人の笹刈り隊は森林管理署関係者のようで、最年長と思われる男性は満面の笑を浮かべて、傍にいる男性が孫だ、一緒に仕事をしていると話しをしていた。おじいちゃんは山が好きで堪らないようだった。その男性によると、中山峠からのNTT歩道は笹刈りが終わりこれから、裏の沢を下りながら刈ると言う。凄い体力だし、羨ましいな・・と思いながら麦芽風味の炭酸飲料を飲み、邪魔にならないうちに下山を開始する。
 最後に、三角点を撮し、三角点のピークを振り返って、山頂を見上げる。森林管理署の男性に山頂へ行ったことがあるかと聞いたが、無いと言う。山頂にも、山頂標識はあるはずだが、山頂近くはハイマツ漕ぎがあり、容易に近づけないので、登山道を開設してもらいたいと思いながら、ハイマツ帯を下り始める。
三角点 三角点のピーク 山頂 ハイマツ帯
 ハイマツ帯を抜け、下って行くと、カーブの所で、漁岳、恵庭岳、小漁岳、フレ岳、丹鳴岳が遠くに、小喜茂別岳が近くに、白老三山、ホロホロ山、貫気別山、尻別岳が霞んで見えていた。
                               ←大
漁岳 恵庭 小漁岳 フレ 丹鳴 小喜茂別岳    白老三山 ホロホロ 貫気別山 尻別岳
 今度は、羊蹄山に向かってジグを切りながら下って行く。道端にはノビネチドリが咲いていた。コルに下りると、目の前に岩稜が見え、振り向くと山頂が見えていた。この岩稜には踏み跡の無かったが、いずれ誰かが登るだろうと思いながら下って行くと、山頂付近で笹刈りが始まった音が響いて来ていた。
羊蹄山に向かって ノビネチドリ 岩稜を 山頂を
 1062m峰のトラバースを終え、下って行くカーブからの展望も良く、山頂、三角点のピーク、札幌岳、狭薄山、空沼岳、漁岳、小漁岳が遠くに、小喜茂別岳が間近に、白老三山は頭だけ見えていた。
                               ←大
山頂  三角点     札幌 狭薄山 空沼  漁岳 小漁岳 小喜茂別岳    白老三山
 咲きかけのタニウツギを見ながら、引き続き藪睨みでタケノコを採りながら下って行く。標高850m辺りから山頂が覗ける。再び、後続者の御一行さんに追い越される。それでも、タケノコ採りを楽しんで下って行く。旧道分岐は、下りに標識が見えないので、下り過ぎないようにと思いながら下ったので、無事、分岐から新道へと下りて行けた。
 駐車場で、一応、ダニチエックをすると、愛棒の上着とベストの間の背中に1匹潜んでいた。今日は、ダニがいないだろうと思っていただけに、ショックだった。帰りの林道は一般道にような所もあり、車高の低いセレナでも快適に下って行けた。
タニウツギ 山頂 旧道分岐 舗装道路
 

 =林道・作業道・歩道考=
 森林管理署では、林道、作業道、歩道の区分をしているようです。
 「民有林林道:中岳線」は、後志総合局の資料から抜粋すると、1986(S61)年に着工され、2010(H22)年に全線開通した。総延長26.997m、幅4mで喜茂別町と京極町を結ぶ」と解説されている。
 「歩道:裏の沢」は、後志森林管理署(歩道95)の資料から「総延長4.279m、幅1.5mと記されている。2013年7月1日にNTT歩道と裏の沢歩道の笹刈りがなされました。」

二人の山行記録もくじへ   次喜茂別岳+中山湿原へ  アソビホロケール山へ

 二人の山行記録 (遊びの時間含む)
 2013(H25)年7月1日(月) 曇り 往復15.540km 登り2:44 下り2:23 タケノコ採りながら
 7:23林道入口→自動車→7:39登山道入口8:00→8:20旧道分岐→8:37孔空きの朽木→10:05P1062m下通過→10:28ハイマツ帯→10:44三角点の山頂10:54→11:05ハイマツ帯を抜ける→11:38P1062m下通過→13:05旧道分岐
(下り過ぎない)13:17登山道入口13:29→自動車→13:41林道入口