川 口 遺 跡
立地上の特徴として天塩川と併行して南
北に細長くのびる砂丘上に立地し西側は
天塩川河口部に接し縁部崖状の急斜面を
成している。昭和39年から40年にかけ東京
大学岡田教授北海道大学大場教授による
確認が行われた。さらに昭和53年から56年
にわたり筑波大学増田、加藤両教授及び前
田助教授によって遺跡確認の踏査がなさ
れた結果当川口基線地区に於ける遺跡群
は230基分布していることが判明した形状
別では方形(台形五角形不整方形を含む)(正
方形に近いもの)が最も多く186基、次いで楕
円形23基、長方形20基、不整形1基となって
いる。さらにオホーツク文化の竪穴も含ま
れている方形の最大住居址は11m×9mで、
最小は2m×2mのものもある。
年代特徴としては
@方形状の竪穴群は縄文文化期(8世紀の
終わりから中世)の所産として考えられる。
A方形の内細長型は縄文文化の終末期か
らその直後(近世)のものと見られる。
B円形状のものは続縄文期(3・4世紀から
8世紀)に属するものと考えられる。
C現在でも続縄文同期中心の土石器類が
散在している。
Dその1部は復元され郷土資料室に保管
されている。 |
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川 口 遺 跡 |
1.位置
この遺跡は北海道天塩郡天塩町
字川口基線1号から3号あたりまで
広がるものである。天塩町市街の
北西方1.5kmの地点にあって、
幅200m、長さ1.5kmに竪穴住
居跡が230基以上郡在している。
2.地形
この遺跡は、天塩川の左岸に発達
した河岸段丘上、標高5〜8mに
存在している。段丘は河川に沿っ
て南北に延びている。
遺跡の西側は、天塩川で幅300m
を有し、この川をへだてて100m
の砂丘そして日本海に連なって
いる。東側は天塩川の蛇行の跡で、
すぐに内陸海岸性段丘へ連なっ
ている。 |
3.地層
段丘の地層は、次のようであった。
層 位 深 度 土 壌
第T層 0〜10〜15cm 黒色腐植砂土
第U層 10〜20〜25cm 黒色砂土
第V層 20〜25cm 褐色砂土
竪穴の内部では、第V層褐色砂土の
中に約10cmの有機炭化物の堆積
層があって、床面をなしている。
4.現状
この遺跡のある段丘は、砂防防風林
の役目を果たしており、国有林として
保護されているので原始林のようで
ある。植生は、ミヤコザサが若干の雑草
と共に地草をなし、カシの喬木が群生
している。
天塩町 |
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