樹海峠(476m)

 アクセス
 富良野から幾寅に抜ける狩勝国道(38号線)の峠と峠の南側にある。
 国土地理院地図 周辺地図
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 何時も、通り過ぎる峠だが、後から追いついて来た車をやり過ごすためもあり、樹海の碑の前にハンドルを切る。見ると樹海と書かれているだけあって、木質風に石を加工していた。後に回って石碑を見ると、開道百年を記念して昭和43年に建てられたようだ。私の学生時代なので、随分前に建てられたようだ。隣りには、天然木のモニュメントが立っている。「日本自然百選 富良野の樹海」と書かれ、その横には建立の趣意書が打ち付けられていた。二十一世紀に残したい日本の自然百選に入選した記念に昭和五十八年八月二十日に建てたようだ。標柱原木提供は東京大学北海道演習林となっていた。
樹海の碑 天然木の柱 水準点
題字 東京大学教授
    橋 延 清 謹書

 開道百年
この原始の姿を
 永久に傳えん


 昭和四十三年九月二十六日
  建 立 者
     自然を愛する人々

    宮城県石巻市井内
    三 浦 源蔵 製作
 樹海峠から下って行くと、右手に石碑が見えてくるので、序に、道草を食う。舗装された駐車場には鳥獣魂碑と幾寅峠ハチ公之碑が建っていた。
 鳥獣魂碑には銘板が埋め込まれていた。後を見ると猟友会のメンバーが鳥獣の鎮魂のため平成4年8月吉日に建てられたようだ。鳥獣とはいえ奪った命の重さがひしひしと伝わってくる。
 八公の碑は、誰かに捨てられてしまった可愛そうな犬のことだった。動物の命を捨ててしまう人の心の貧しさに怒りを覚えるが、反面、地元の人達の優しさがうかがわれる。
石碑 鳥獣魂碑 八公の碑 レリーフ
 幾寅峠は樹海峠の南にあるはずだが、そこの話なのだろうかと、ふと思う。
  銘
空を翔け
  森に宿りし
    幾多の命
人意によりて
   天に昇らむ
諸霊の輪廻を
    信じつつ
尊し
宿魂の誠
 この碑に託す
  迷える忠犬の銘
この坂道を下れば心あたたき人里あり
 遠く眺むれば
   北の國の雄大な原始の姿蘇る
雪深き昭和五十年一月十八日
 一頭の迷える うす茶色の北海道犬
     ここ幾寅峠に 駿す
麓の里にひとときのねぐら 一片の糧
も求めんとせず通い来る人々の愛と恵
みにより支えられ一年有余に亘り何故か
道行く車を見つめつつ只ひたすら恩ある
主のみ慕いて迎え来る日をここに待つ
            主よ何処に
 悲哀なるその姿
       死せる今猶 脳裏離れず
 彼の日の絆 永遠に絶ち難し
この忠犬の在りし日を偲び世の心ある
人々の志を持て ここに碑を建立する

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 二人の散歩路記録
 2009.9.25(金) 晴れ