城ヶ倉渓谷新湯(750m)

 ポイント
 城ヶ倉渓流歩道へはハイカーには辿り付けないほど荒れている。新湯に行くのが精一杯だ。
酸ケ湯温泉コース

 アクセス
 酸ケ湯温泉から国道103号線を渡りキャンプ場方向へ行くと看板がある。ここが入口ではなく、舗装道路を下ると入口になる。
 国土地理院地図 GPSトラックは山の地図帳「2017.6.27」へ Google Map
=写真をクリックすると大きなサイズになります=
 6月27日<2017(H29)年 往復3.135km 下り27 登り38>
 酸ヶ湯温泉の玄関から外に出ようと思ったら、玄関が締まっていた。困ったなと思っていたら、係の人が来て開けてくれた。酸ケ湯温泉の駐車場から、国道103号線を渡りキャンプ場方向へ行くと城ヶ倉渓流歩道案内板がある。看板のルート図を見ると渓谷を眺めるためには新湯を越えて眺渓台まで行かなければならないようだ。歩道の行く手は藪なので、一旦舗装道路に戻り下って行くと入口があった。歩道入口には閉鎖中の看板があるが道は閉鎖されていなかった。
案内看板 行く手は藪 歩道入口 閉鎖中の看板
 入口の看板もあるが寂しげに見える。「渓流歩道まで0.8km」の道標があるが、閉鎖中の張り紙がされていた。朽ちたベンチも出て来る。道が荒れだすと、湯煙が立ち込めて来る。沢沿いには数棟の赤い屋根の建物が見えて来る。
入口の看板 道標 朽ちたベンチ 赤い屋根が
 沢の建物を見ながら下りて行く。沢には源泉の湧いているマンホールがあり、沢沿いは湯煙で覆われていた。何とか、数棟の建物が建っている所まで行こうとするが、藪が濃くて体の入る隙間が無い。
建物が 沢の上流 沢の下流 数棟の建物が
 道を登り返してルートを探すが見当たらないので、沢沿いを下ってみる。道はあるが藪で泥濘なので登山靴では無理と思ったら、朽ちた橋が見えて来る。その先は更に藪なので諦めて引き返す。新湯を振り返りながら登って行くと、酸ヶ湯沢が覗けるところがある。渓流の音はするが全景は望めない。
数棟の建物が 沢に架かる橋 新湯を振り向く 酸ヶ湯沢が
 入口が近くになるとタニウツギが咲いていた。入口には「城ヶ倉渓流歩道まで1.1km」の道標があった。薬師神社や大岳登山口に立ち寄り酸ヶ湯に戻る。
タニウツギ 道標 薬師神社 大岳登山口
 =城ヶ倉渓流歩道考=
遊歩道案内図 閉鎖された入口
 城ヶ倉大橋の袂から、城ヶ倉渓流沿いに2.051kmの遊歩道があったようだが、閉鎖されている。
 大町桂月の世界が体験できる渓流が閉鎖されているのは残念だ。
《城ヶ倉渓流について》
 城ヶ倉渓流は、十和田国立公園、八甲田山系の大
岳、櫛ケ峰、駒ケ峰に源を発して、陸奥湾に注ぐ2
級河川堤川(流域面積278.9km、流路延長32.
6km)の上流部、河口より約22.8km、下湯ダ
ムに位置する北八甲田屈指の渓流である。
 城ヶ倉の地名は、古くは「嫦娥倉」といわれてお
り、嫦娥は「月」、倉は「崖」という意味で、この
渓谷の厳しい自然美を端的に表現しており、断崖や
奇岩、怪岩にせかれてほとばしる川の流れは、男性
的かつ野性的な躍動美にあふれている。
 大正11年8月18日この地を探勝した明治、大
正期の文人大町桂月は、渓流の美しさを紀
行文「花の八甲田山」の中で、賞賛すると共に「
嫦娥倉」として一節を残し、数百の歌を詠んでいる。
 渓流は、延長2.1km、谷底巾150〜200m
高さ200mのV字渓谷内を急峻な流れげきざみ、
奥入瀬渓流、黄瀬川渓流と共に十和田国立公園三大
渓流にあげられる渓流美を誇っており渓流の内、上
流部約1。0kmは巨岩、奇岩の断崖が屏風のように
廻り、河床には20tを超える転石が重なり合い独
特の景観を形成している。
 下流部約1.0kmの両岸には石英安山岩の柱状節
理がするどく、いく重にも重なりあって連立してお
り、材木岩と呼ばれている。その断面は3角〜8角
とさまざまな柱状をなしており、その一本一本は細
かく規則正しく、特にこの付近では5角や6角が多
いことから、別名六方石とも云われている。又、渓
流中には白銀の流れ、小阿修羅の流れなどと名づけ
られた渓流が岩をかみ周囲の岩景と見事な調和を
展開している。
 渓流の両側には、アオモリトドマツ、ヒノコマ
ツ、コメツガなどの針葉樹とブナ、ミズナラなど
の広葉樹がバランス良くうっそうと生い茂り、新
緑の美しさもさることながら特に紅葉期のながめ
がすばらしく訪れる人々の目を奪う
 木の間隠れには、千条の滝、冬栄の滝、夫婦の
滝など、種々の滝が見えかくれし男性的な渓流
景観とは対照的に女性的な優しさを表しており、
一時のやすらぎを与えてくれる。
 この変化に富んだ渓谷は絶好のハイキングコー
スとして多くの人々に親しまれており、今日では
下流国道394号旧道城ヶ倉橋入口から上流堤川
5号砂防堰堤間に2、051mの渓流歩道が整備され
ており、融雪期、荒天時を除き6月中旬から11
月上旬にかけて午前9時から午後4時迄利用する
ことが出来る。


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 二人の山行記録(遊びの時間含む)
 2017(H29)年6月27日(火) 曇り 往復3.135km 下り27 登り38
 4:10酸ケ湯温泉→4:17看板→4:21歩道入口→4:26歩道入口まで0.8km→4:34ベンチ跡→4:37新湯4:50→5:17歩道入口→5:25大岳登山口→5:28酸ケ湯温泉