伏美岳(1792.0m)

 ポイント
 日高山脈を労せずして間近に見られる。愛棒にカールを見せてやりたくて登った山。
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
伏美岳避難小屋コース

 アクセス
 道道55号線を芽室から上美生市街を目指し走る(途中の電柱には「伏美岳」の道標がかなり目に付く)。道標に従い、上美生市街から美生川沿いの町道を進む。途中、伏美仙峡の看板を右手に見て山に向かうとバリケードの付いたダム用の道に突き当たる。道標に従い左折すると、舗装が切れ分岐に案内板が出てくる。また、左に曲がり、良く整備されたトムラウシ沢林道を走る。渓流橋、渓谷橋、伏美避難小屋と通過し上って行くと広い駐車場と登山口がある(旧版夏山ガイド愛読者は注意)
 国土地理院地図 山の地図帳「2006.9.30」へ  Google Map
伏美避難小屋
 7月20日<1997(H9)年 登り2:45 下り1:54>
 ガイドブックに記述されているとおりに、小屋の近くに駐車スペースを見つけて、ようやく駐車した。ここで、準備をして登って行ったが、広い駐車場が目の前に現れた。仕方なく、車を取りに帰ると、小屋の前で、中学校の一行に出会った。どうやら、女子生徒のトイレタイムで、小屋の前に数台駐車していた。車を出すことができず、ようやく道を開けてもらい、無事、駐車場に到着した。
 登山口からは、林の中をひたすら登る。5合目を過ぎると、コブを1つ越える形となり、一息いれることが出来た。これを越すと更に急になり、後ろに剣山が 見え、左右に山が見えるようになると頂上は近い。背の低い笹原に出ると、頂上にいる人が見えるようになる。途中、黒焦げの木が土中からのぞいていた。どう して出来たのだろうか。
頂上(大×) 十勝幌尻岳 札内、カムイエクウ? カール(大×)
 頂上は狭く、人が多かったので、あまり長居はできなかった。頂上より奥に行ったほうが見晴らしが良く、まだ残雪の残る日高山脈が一望でき、戸蔦別岳とA・Bカールが見ることができた。
 その後ろに日高山脈の最高峰となる幌尻岳が見え、さらに左に神威岳と思われる山が見えた。そこにもカールではないかと思われる地形があった。カールを見 るのは愛棒は初めてだった。カールは底が平らなので、熊も住み易く多いといわれているのが分かるような気がした。
 山頂標識前で、中学生にカメラのシャッタを押してもらう。この中学生がおにぎりを食べながらこんなに美味いおにぎり食ったことないと言っていたのが耳に残っている。
 花は目立ったものは無かったが、尾根にはシャクナゲが多く、赤松もすごい形のものがあった。

 =憤慨=
 「上美生市街で迷いながら、砂利道を行き、途中で牛糞を踏んでしまう。家に帰って、車に乗る度に、酷い臭いに悩まされ続ける。いくら洗っても臭いは取れず、愛棒はしばらく牛乳を飲めなくなってしまった。
 9月30日<2006(H18)年 往復6.574km 登り3:28 下り2:15>
 登山口からは、日高にしては少し平坦な登山道を辿るので準備運動にもなる。登山道は少し朝露に濡れた笹が被っているので、前を行く愛棒はびしょ濡れになる。直ぐに小さな沢を渡り、また、笹の被った登山道を登って行くとジグを切り、方向が変わると1合目になる。1合目を過ぎると尾根伝いの急登が始まる。尾根なので木立越しにではあるが、左隣の妙敷山(おしきやま)が垣間見れ励みになる。
登山口 笹の登山道 小さな沢を渡る 妙敷山を垣間見る
 「登山口あと1km」の標識が現れたり、「3合目←3.725km」の標識が木の股の所にある。木立越しに帯広岳と思われる山が雲間に望まれた。いつの間にか、登山道の両側を覆っていた笹の背が低くなる。
1km地点 3合目 帯広岳? 笹の丈が低くなる
 朽木のところで振り返ると帯広岳と思われる山影が再び望まれる。「伏美岳あと2425m 登山口あと1.5km」の標識が木立に打ち付けられていた。やがて、下草が無くなり見通しの良い林の中を登って行く。キノコが目に付くようになるが、食べられるのか毒なのかは判らないが、手にとって見たり臭いを嗅ぎながら登って行く。背の低いシャクナゲが下草状になった林の中をひたすら登ると、1224mのコブに上がり一息いれることが出来た。
帯広岳を望む 下草が無くなる ?キノコ 1224m目前
 このコブから下り気味な所もある尾根道となるが展望は無い。その代わり少し控えめだが、紅葉真っ只中の登山道となる。「5合目」「伏美岳あと1625m」の標識が相次いで現れる
平らな尾根へ上がる 黄色く色付いた木々 5合目 伏美岳あと1625m
 「伏美岳あと1625m」の標識がを通過すると口を開けたトラップのように怪しい形をしたダケカンバが現れる。「伏美岳あと1425m」の標識がを通過すると、雲が下から埋め尽くしている妙敷山を垣間見ることが出来た。林の中には「ヌメリスギタケモドキ」と思われるキノコが顔を出す。
怪しい形 伏美岳あと1425m 妙敷山を垣間見る ヌメリスギタケモドキ?
 相変わらずダケカンバの白い幹と紅葉が美しい林の中を登って行くと、紅葉の額縁に妙敷山が納まっていた。真っ赤に色付いたり、黄色く色付いたりしている木々の中を進んで行く。
紅葉の中を登る 妙敷山を垣間見る 真っ赤に 黄色く
 朽木にスギヒラタケ(毒)と思われる白いキノコが生えていた。いかにも食べられそうだが、残念ながら毒キノコのようだ。「7合目 伏美岳あと0.9km」の道標が現れる。今度は、真っ黄色に色付いた木々のトンネルの中を進む。振り返ると、真っ白な雲の中から僅かに覗く山並みが垣間見られた。赤や黄色のトンネルを登って来たので、モノトーンの世界が新鮮に映る。
スギヒラタケ(毒)? 7合目 黄色いトンネル 山並みを垣間見る
 左を見ると妙敷山が望まれるようになり、妙敷山と同じ高度になるのを励みにひたすら登ると9合目の標識が出てきた。9合目辺りが山頂だと思っていた愛棒はがっかりしたようだった。神威岳方向が望まれるようになって来ると山頂は近いという実感になる。愛棒は山頂が近づきだすと何故かペースが上がる。
妙敷山 9合目 山頂直下 神威岳方向
 妙敷山を振り返り、最後は軽く追い越して登って行った男性の憩っている山頂へ踊り出る。山頂標識を撮すが、記念写真は忘れていまった。ピパイロ岳方向もすっかり雲がかかってしまっていた。先着の男性は、たった今までピパイロ岳が見えていたと残念がるが、愛棒は、男性の持っているキノコの袋の中が気になるらしい。愛棒が男性に色々聞いている間にも、雲がドンドン押し寄せてきて戸蔦別岳も見えなくなっていたが戸蔦別岳のA・Bカールが見ることができた。
妙敷山 山頂へ踊り出る 山頂標識 ピパイロ方向
 雲間に浮ぶ山並みを見ながら、雲の消えるのを昼食をしながら待つことにする。妙敷山の奥には十勝幌尻岳、札内岳、カムイエクチカウシ山と思われる山並みが覗いては消えて行く。
                     ←大
十勝幌尻岳           札内岳      カムイエクチカウシ山
 流れる雲の動きに酔いながら、イドンナップ岳、幌尻岳、戸蔦別岳を探す。
           ←大
イドンナップ岳     幌尻 戸蔦別岳
 一番良く見える山並みをその都度見ながら、山座同定を試みる。頂上より奥に行ったほうが見晴らしが良く、日高山脈が一望でき、戸蔦別岳とA・Bカールが見ることができるのだが残念だった。
妙敷山方向 妙敷山方向 幌尻方向 札内方向
 おにぎりを食べながら天候の回復を願うが、無常にも小雨がぱらついてきた。ピパイロ岳方向から来た男性が到着したので、下山をする。幸い登山道の足場が良いので、濡れた登山道もそんなに滑ることは無く下る。途中、2人の男性に軽く追い越される。展望の無い登山道なので、合目の標識や距離標識を見ながら下って行く。
下山開始 9合目 7合目 登山口まで2.5km
 3合目の標識は丸い標識と四角い標識があるようだ。疲れが溜まってきた時に、距離標識の登山口まであと1kmに元気をもらう。
5合目 登山口あと1.5km 3合目 登山口あと1km
 笹の丈がくなりだし、1合目の標識を通過する。登りの時には目に留まらなかった「伏美岳あと3.925km」と「伏美岳登山口」の標識を新たに発見する。
笹の丈が 1合目 伏美岳あと3.925km 登山口
 登山道や標識を管理している芽室山の会に感謝して帰路に着く。

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 二人の山行記録
 2006(H18)年9月30日 霧 往復6.574km 登り3:28 下り2:15
 8:40登山口→9:28三合目→10:23五合目→11:10七合目→11:55九合目→12:08頂上12:50→12:59九合目→13:317合目→13:56五合目→14:30三合目→14:56一合目→15:05登山口
 1997(H9)年7月20日 晴れ 登り2:45 下り1:54
 登山口→24→3合目→40→5合目→36→7合目→50→頂上→31→7合目→25→5合目→31→3合目→27→登山口