富良野岳(1911.9m) 上富良野岳(1893m) 三峰山(1866m) 

 ポイント
 登りやすく、花が多い、景色も満点だ。富良野岳なら家族連れでも大丈夫と思うが、集中豪雨になると安政火口の枯れ沢「ヌッカクシ富良野川」が濁流になるのでくれぐれも注意。
十勝岳温泉コース

 アクセス
 十勝岳温泉の無料駐車場を目指す。
 国土地理院の地形図  GPSトラックは「2006.8.13」の地図帖へ  周辺地図 
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十勝岳温泉右回りコース
 8月13日 <2006(H18)年 一周8:07>
 朝の8時一寸前だが、登山ポスト前で登山届の順番を待ちながら、流石に人気のある山だと感心する。まず、安政火口への散策路を辿ると、右手に三段山、真正面に上ホロカメットク山と前富良野岳が望まれ、その前に、有名な「化け物岩」「八手岩」が煙っている。写真を写していると、後ろから、サンダル履きで、身にインドの短いサリーを纏ったような格好に、ザックを背負い挨拶しながら登っていった。まるで風呂に入りに行くような身軽さではあるが、背中は真っ黒に日焼けしていて鮫肌になっているこの人物は何物なのだろうと思う。
登山届ポスト 三段山 上ホロと上富良野 不思議な人物
 直ぐに、「三段山1.5kmと三段の沼」「十勝岳温泉0.7km、安政火口0.6km」の標識が現れる。今日は愛棒のぎっくり腰が快復したリハビリー登山なので三段山の方が良いかなと思いつつ足は安政火口へと向かう。途中まで見えていた山並みも低い雲が垂れ下がり見えなくなりだしていた。今日の天気は良い筈なので、朝霧だろうと思い周囲を見回し振り向くと、リンドウが一面に咲いていた。安政火口に近づくと、噴煙が雲よりも白く上がっていた。
三段山分岐 山が雲に隠れ リンドウが 火口の噴煙が見え
 それでも、安政火口に近づくと、三段山の下に夫婦岩がクワガタムシの口の様に見えていた。化物岩と八手岩は何処だと探すが、上ホロカメットク山と上富良野岳は見えるのが、判然としない。遊歩道は水の全く流れてない枯沢のヌッカクシ富良野川を渡る。安政火口へは下山途中に余裕が有れば行こうと先を急ぐ。この枯沢で下山時に大変なことが待ち受けているとは露知らずに対岸のD尾根を登って行く。
夫婦岩 上ホロと上富良野 ヌッカクシ富良野川 D尾根へ
 D尾根は大きな岩がごろごろしていて、ロープの垂れたところもあるが、回り込めばロープを使うことも無い。道端には小さい真っ青なミヤマリンドウや黄色いウサギギクが咲いていた。ウサギギクは沢山咲いていたが、その中でも、凄く別品さんのウサギギクがあったので写真に写す。D尾根は化物岩を中心に回りこんで登って行くので、化物岩の後ろ側が見えるところも出てくる。
ロープの垂れた鎖場 ミヤマリンドウ ウサギギク 化物岩の後ろを
 急な所には木段が設置されていて、丸太が1ステップ1本の所は登りやすいが、2本になると急になりペースが落ちる。途中富良野岳が雲間から顔を出すが、直ぐに消えてしまう。木段が途切れると、安政火口の縁の崖筋を登って行く。この辺りは裸地が多く、雨水に削られて流された高山植物の塊が多い。このままでは枯れそうな、天地返し状態になったイワヒゲが2株あったので、石の間に押し込めてみる。この後、雨が降り活着することを願う。尾根の奥に上富良野岳への最後の登りになる斜面が見えてきた。
木段を登る 富良野岳が 切れ落ちた崖筋を 上富良野岳が真正面
 登山道の縁には、イワブクロ、紅の差したゴゼンタチバナ、ウラシマツツジが顔を出す。最後のガレ場を上がると、尾根筋になる。
イワブクロ ゴゼンタチバナ ウラシマツツジ 上富良野岳へ
 尾根に上がると目の前に「上富良野岳」の山頂標識が佇んでいた。安政火口の中を覗くと、八手岩らしき岩が望まれた。上ホロカメットク山は直ぐ傍にあるが、終始雲の中だった。愛棒は上ホロカメットク山へ行って来ても良いと言うが、行っても何も見えそうにないので、先を急ぐことにする。一路、雲の中を三峰山へ進む。
上富良野岳(大×) 八手岩か? 上ホロカメットク山 三峰山へ
 イワヒゲ、ガンコウラン、ツガザクラに満ちた少し起伏のある平原を辿るのは凄く楽しい。雲で見えなかった三峰山の東峰が姿を現す。東峰は余り特徴がないので素通りし、三峰山の本峰へ足を運ぶが、雲間から垣間見える三角形に見える本峰に圧倒される。イワギキョウを見ながら、登って行くと三峰山の山頂標識があり、山頂に着いたことを知る。
三峰山東峰 三峰山へ イワギキョウ 三峰山(大×)
 三峰山から西峰へ下る途中、走りまくる○○高校クロカンスキー部の連中や熟年登山グループとすれ違う。岩場のある三峰山の西峰に着いて、本峰を振り返ると、熟年登山グループが山頂に陣取っていた。少し、休んで再び、最終目的の富良野岳を目指しとんどん下る。
三峰山西峰へ 三峰山西峰 三峰山を振り返る 富良野岳を目指し
 尾根はやがて痩せ尾根になり、岩場に変身して行く。ようやく、コルに辿り付き、敷かれた丸太の木道を歩きながら見上げると、富良野岳手前のコブに向って、木段が続いていた。振り返ると境山や下ホロカメットク山が雲間から垣間見られるようになって来た。
痩せ尾根を行く 細尾根は岩場に 富良野岳方向を 境山と下ホロを
 コブを越えて最後の登りになると、左にお花畑が広がっているが、見ている余裕が無く頂上を目指す。それでも、小休止の間にダイセツトリカブトと歯間ブラシのようなチシマセンギョウを写す。振り返るとコブの向うに境山と下ホロカメットク山が辛うじて雲の下に見えていた。頂上に着くと、数パーティーがいて賑やかな山頂だった。山頂でハーモニカを吹いていたと言う男性を最後に、誰も居なくなってしまった。ハーモニカの男性の話からは北上夜曲と山の娘ロザリアが好きらしかった。食事を終えて退散しようと思うが、奥のコブと目の前にあるコブが気になって、愛棒を山頂に残して行ってみることにした。
山頂が見え出す ダイセツトリカブト コブを振り返る 山頂(大×)
 原始ケ原からの登山道を下ると山頂よりも高いと感じていたコブはかなり低いことに気付く。戻る途中で、リンネソウと思われる花を写す。戻って今度はカメラを愛棒に託して、目の前のコブに立つ。何れも、テッシュが目立つ雉道化していた。
 下山する方向は十勝側は雲が切れているが、富良野側は激しく雲が上昇していた。コル付近のお花畑でウサギギクの絨毯に見入る。タタンポポも花畑の中に咲いていたが、二股になっていたのでフタマタンポポと言うのかもしれない。
原始ケ原方向から 山頂から目の前のコブ 下山する方向を フタマタタンポポ
 ナガバキタアザミも登山道の際に咲いていたが、ウサギギクで埋め尽くされた沢は見る価値がある。お花畑を後にして、コブを下がる。木段のところで、1人のご婦人が手ぶらで上がって来た。あいさつはするが、手ぶらなので、少々気になると思いつつ、展望の利かない登山道を辿る。登山道脇にはシナノキンバイが顔を出す。
ウスユキトウヒレン お花畑 コブを通過 シナノキンバイソウ
 愛棒の好きな淡い色のチシマフウロも顔を出す。小さな沼も湖面を輝かせていたが、近づくと輝きがなくただの穴の様に見える。ウメバチソウやヨツバシオガマを写していると、先ほどのご婦人が下っていった。見るとザックを背負っている。どうやら、分岐にザックをデポしてお花畑まで行ってきたらしい。
エゾヒメクワガタ ウメバチソウ ヨツバシオガマ
 雨がポツポツと降ってきたが、その内に止むと思い、傘を差しながら今日一番と思われる別品さんのウサギギクを写す。写し終えて、空を見上げて異変に気が付く。頭の上は雨雲にすっぽり覆われ、直ぐに、土砂降りとなる。雨合羽を出す暇が無く、折りたたみの傘を差しながら下る。先ほどのご婦人は雨合羽を着ていたが、われわれはとにかく小川と化した登山道を急ぐ。三峰山沢は小川程度の流れで難なく通過するが、D尾根への道はまだ遠い。

 すっかり、ずぶ濡れになってヌッカクシ富良野川を遠望して、びっくりする。愛棒は沢が川になっていると言い出すので、私も良く見ると紛れも無く川に変身していた。どうなったのかと、ヌッカクシ富良野川の安政火口分岐まで来た時に、目の前に濁流が立ちはだかっていた。下流は壁、上流は対岸が壁なので、壁と壁の間で渡渉するしかない。最も幅の狭いところと流れの緩いところを探す。どうやら、滑床と岩の間に1か所だけ飛び越えることの出来るポイントがあった。愛棒はロープを張らなければ飛べないと言う。

 どうしようと思っていたら、後に先ほどのご婦人と森林パトロールの2人が追いついていた。地獄に仏とはこのことだと思い心強かった。森林パトロールは30分待てば引けるというが、水かさはどんどん上がってきていた。私は、これから雨が降らない保証はないので、今ならここを飛び越えればなんとかなると言うと、森林パトロールの1人が試しに飛び越えて行った。そして、邪魔になりそうな対岸の石を避け、足場を作って帰って来た。それで、ここから跳ぼうということになってまた対岸に跳んでいった。

 先にご婦人が、ぎりぎりまで水に足を入れ対岸から森林パトロールの方が手を差し伸べて跳んだ。次に愛棒だが、ご婦人よりも水の中に入らなければ跳べそうに無いので、左右から二人で支えて流されないようにして跳ばす。次に私が飛ぶが、自分が目標としていた地点よりも下だったので、ひやっとする。ザックの重み、いや年を考えていなかった。最後に、森林パトロールの人が跳んだ。
 濁流の傍で、森林パトロールの方々にお礼を言いながら、ご婦人と愛棒は興奮が収まらないのか話をしていた。ご婦人は夫の実家が富良野なので、1年に1回は登っているコースなのだが、こんな経験は初めてだと言う。
ウサギギク 三峰山沢 濁流と上ホロ 濁流とパトロール
十勝岳温泉左回りコース
 7月28日 <1999(H11)年 一周7:37>
 観光客と安政火口まで行き、途中で登山道に入る。富良野岳までは2時間30分程度で着いてしまったので、三峰山を経由して帰ることにする。
 夕張岳、芦別岳、西富良野岳、大雪山、十勝岳の山々を見ながら縦走を開始する。道端の、イワヒゲ、イワギキョウ、イワブクロ、ウサギギクなどの高山植物を見ながら辿る。しばし、高山植物の中を辿り、三峰山の西峰に着くと、目の前にある三峰山の頂上には学生の団体がいたので、西峰の岩場で昼食とする。
富良野岳頂上(大×) 上ホロカメットク(大×) 上ホロカメットク 三峰山の西峰(大×)
 三峰山の頂上に学生の団体がいなくなったので、本峰へ移動し、山頂標識と記念写真を撮す。本峰へ来てみて、西峰の方が本峰より、大きな岩があり頂上らしいと思った。次に、一旦下がって、東峰に進む。名前のとおり顕著なピークは3つあった。
 上富良野岳に辿り着くと、目の前に十勝岳が望まれた。十勝岳にもう少し近づこうと上ホロカメットク山に寄り道をしてみる。上ホロカメットク山に向かって下りて行く時に、浮石に乗って転びそうになったので、横の石に乗ったらその石も浮石だった。もう、堪えきれずに、一人で横に飛んでしまい、おかげで手首を捻挫し、水筒を潰してしまった。
 上ホロカメットクの頂上も、関西の学生に占拠されていたが、何とか、十勝岳をバックに記念写真を撮す。
山峰山の頂上(大×) 三峰山の東峰 上富良野から十勝 十勝岳を望む(大×)
 山頂標識と記念写真を撮し、下山を開始する。
 帰りに上富良野岳で記念写真と思ったが、ここも人が多く、遠くから山頂を撮す。
 もう、トンボが飛んでいたので、蚊やブヨはいなかった。
上ホロカメットク山(大×) 山頂標識(大×) 上富良野岳(大×)
 =温泉考=
 凌雲閣(0167-39-4111)、褐色の天然温泉なので、手拭はそれなりで十分だ。露天風呂からの景色が最高だ。ジャグジー、サウナがあり、シャンプー、ボディーシャンプー付きで料金は800円、脱衣場のコインロッカーは100円(戻らず)だった。

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 二人の山行記録 
 2006(H18)年8月13日(日)
 右回りコース 曇り 局地的豪雨有り 一周8:07
 7:47十勝岳温泉駐車場→8:01三段山分岐→8:43安政火口分岐→8:47上ホロ分岐→10:17上富良野岳→10:40三峰山東峰→10:56三峰山→11:08三峰山西峰→12:37富良野岳頂上13:21→13:51分岐→14:51三峰山沢→15:31安政火口分岐→15:54駐車場
 1999(H11)年7月28日(水) 左回りコース 晴れ 一周7:37
 7:53十勝岳温泉駐車場→8:21安政火口分岐→8:31上ホロ分岐→8:51F点(1.7km)→9:04G点→9:52富良野岳分岐→10:22富良野岳頂上10:35→10:54富良野岳分岐→11:40三峰山西峰12:06→12:20三峰山頂上→12:31東峰→12:57上富良野岳→13:10上ホロカメットク頂上13:34→13:48上富良野岳→14:44上ホロ分岐→15:04安政火口分岐→15:30駐車場