美比内山(1071m)

 ポイント
 冬山の初級の山として有名だが、広い尾根に横から取り付くか所があるので、トレースの消える春山の下りには注意が必要だ。頂上の稜線沿いは雪庇が発達しているので、頂上を見て、右から登ると登りやすい。
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
豊羽鉱山ゲート前ルート

 アクセス
 定山渓から朝里に抜ける道道1号線(定山渓レークライン)を行くと、右に豊羽鉱山へ曲がる道道95号線がある。そこを右折し、豊羽鉱山(元山)まで行く。豊羽鉱山のゲート前には「これより先は、豊羽鉱山の鉱業用地です 一般の方の侵入は法律で禁じられています」と書かれた看板があり、監視カメラも設置されている。居合わせた社員の方に聞くと、ゲート前の除雪スペースなら駐車しても良いと言う。
豊羽鉱山のゲート前

 国土地理院地図  GPSトラックは山の地図帖「2009.2.24」へ 周辺地図
 2月24日<2009(H21)年 ラッセル20cm 往復スキー7.635km 登り2:50 下り1:1>
 取り敢えず、ゲート前に駐車させて頂き、敷地に入らないで尾根に取り付く方法を考える。「右大江沢川」の左岸沿いに登るには急過ぎるので、目の前にある道路沿いの雪の壁に階段を作り尾根を目指す。それでも、取り付いた斜面は意外と急で、尾根に上がれるところを探しながら登って行く。途中、シールが剥がれるトラブルがあったが、なんとか、尾根に上がると発電所と廃校した「豊羽小中学校」が左右に見えてくる。やがて、発電所裏から伸びる林道を横切ると尾根は西から北西に変わる。
雪の壁に階段を 尾根への急登 豊羽鉱山の発電所 廃校の小中学校
 なだらかな尾根は日差しの無い、モノトーンの林だった。林の中には、朽木を覆う雪の造形が現れ、短調な景色を忘れさせてくれる。尾根が再び西に向き出すと、大きな木々が左右に分れ林道があるかの様に空間を作っていた。大きなエゾマツの枝は氷付いた雪で垂れ下がっている。
尾根の道 雪の造形 林道のような空間 雪で垂れ下がった枝
 林を抜けると900m台地になり、いきなり展望が開け、行く手に山頂が見えだす。970mの台地からは雪原の奥に山頂が見え出し、台地が終る頃、山頂が間近に見えて来る。
900mの台地から 山頂が見え出す 970mから山頂を 山頂が間近
 山頂へは向かって右側から急傾斜を登って行く。急登なので、休みながら登って行く。振り向くと「阿女鱒岳」らしき山容、「余市岳」は雲の中、真っ白で長い「朝里岳」、二コブの「白井岳」が見えていた。
                     ←大
阿女鱒岳?      雲の中の余市岳       朝里岳   白井岳
 登って行く途中で、角度が変わると白井岳の前に南岳、岩塔のあるヒクタ峰、その奥にアンテナ群のある手稲山、定山渓天狗岳、烏帽子岳、神威岳が見えて来る。
           ←大
白井 南岳   ヒクタ峰 手稲山 定山渓天狗岳   烏帽子岳 神威岳
 山頂直下の雪崩斜面を見上げると、雪庇から剥がれた雪の塊が転げ落ちていた。太陽は樹氷の幹に輝いていたが、中々日差しが出るまでにはならない。山頂直下はアイスバーンになっていて、エッジを立てながらジグを切って登って行く。肩越しに羊蹄山が見えるはずが、頭が雲の中だった。尻別岳は良く見えた。角度が変わると「定山渓天狗岳」が見えて来る。
山頂の雪庇 太陽と雪庇と樹氷 アイスバーン 定山渓天狗岳
 「白井岳」を見ながら山頂に到着する。振り返ると「阿女鱒岳」のような山容が見られ、雪庇の奥には「長尾山」、その奥には「札幌岳」が望まれた。
白井岳 山頂 阿女鱒岳? 長尾山 札幌岳
 山頂に着き雪庇を外して、「定山渓天狗岳」を真正面になるように陣取る。オニギリを食べながら目の前の山々を見ると、「白井岳」と「定山渓天狗岳」の間に岩塔が見える「ヒクタ峰」、その奥にアンテナ群のある「手稲山」が同定できた。昼食を食べ終え、シールを剥しワックスを塗っていたら「羊蹄山」、「無意根山」や「中岳」からも雲が取れていた。
山頂(大×) ヒクタ峰 羊蹄山 無意根山 中岳
 山頂から「意根山、中岳、尻別岳、羊蹄山、本倶登山を見回し、山頂を後にする。
                               ←大
無意根山 中岳         尻別岳       羊蹄山     本倶登山
 山頂からはカリカリ斜面でスキーのエッジが利かないと困るので、スキーを持ってツボ足で下る。隣りの980m峰は山頂が真っ白で、「中ノ沢(三角点1086.6m)」が続き、その奥に「阿女鱒岳」と思われる山容を見ながら下って行く。
                               ←大
980m峰               中ノ沢(三角点)  阿女鱒岳?
 カリカリ斜面を過ぎて、スキーを履くが、愛棒はまだ怖いというのでツボ足で下る。案の定、途中で埋まりだし立ち往生をする。渋々スキーを履きへっぴり腰で下る。雪崩斜面からは真っ白な「無意根山」が見えてくる。山頂の雪庇を見上げながら、雪崩斜面のぎりぎりまで使い下る。下る途中で、再び「定山渓天狗岳」が良く見えるようになる。
山頂直下 無意根山 山頂の雪庇 定山渓天狗岳
 あと顔を出さないのは、「余市岳」だと思いながら下って行く。並木道のようになっている900m台地を通過していたら、ようやく「余市岳」が見えて来る。嬉しくなって、木立が邪魔にならないところまで見に行く。最後は、取り付いた尾根の急傾斜を何とか滑り降り、駐車場所に戻って取り付いた尾根を見返す。
余市岳 定山渓天狗岳 急傾斜を 取り付きの尾根へ
豊羽鉱山発電所裏林道ルート

 アクセス
 豊羽鉱山の敷地内には「関係者以外通行不可」看板があり、昨年はこの看板にびびり、すごすごと退散した。今年はHYMLの皆さん曰く「豊羽鉱山のご好意で黙認してもらっている」とのことだったので、発電所の裏手に回って駐車した(現在はゲートや監視カメラが設置されていて進入禁止)。発電所の裏手には建物と石油タンクが2基ありその間が林道となっている。
 豊羽鉱山発電所裏林道コース(H15.5.5 登り1:36 下り49 スキー ラッセルなし 単独)
 雪の上には木の枝が散乱し、木の花?も落ちていた。この林道を沢伝いに上がって行くと小尾根になる。この尾根を北西に上がって行くと、広いなだらかな尾根(850m)に出る。今まで上がって来た尾根よりも広ので、下りに気を付けなければと思う。
左が発電所 石油タンクの間が 沢の林道を登って 木から落ちて(大×)
 振り返れば、定山渓天狗岳が右には余市岳が顔を出している。振り返れば、白井川沿いに溜池の様な白い空間が見えていた。900m地点には小さなコブが現れる。
定山渓天狗岳 余市岳 白井川沿いの溜池? 900m地点のコブ
 900m地点のコブを過ぎると疎林になり、山頂が見え出す。更に近づくと山頂の雪庇も見えてくる。
900m地点のコブ 疎林になる 頂上が見え出す 更に近くに
 目の前にした山頂は結構長く見え、山頂稜線には雪庇が連なっている。雪庇が無い所は左右の斜面だけだが、左側は雪がずり落ちているので、右の斜面をジグを切って登ることにする。
           ←大
雪庇の付いた長い頂上
 頂上直下は見上げる位の結構な斜度がある。ジグを切って登って行くと、雪崩斜面越しに無意根山が望まれる。雪庇を見上げながら登って行くと、山頂直下に雪の裂け目が出来ていた。
 頂上に着いて遅い朝食をする。例によって、ノンアルコールのビールを雪の上に置き、カップヌードルにお湯を注ぐ。出来る間、愛棒に電話をする。カップヌードルが出来たので、食べようと思ったら、引っ掛けて上の具が雪の上に飛散してしまった。動物が食べて味をしめたら困ると思って、雪の上の具を箸で摘まんで食べてしまう。何とも言えない味だった。
頂上を見上げる 無意根山が 雪庇を見上げる 直下の裂け目
 今日は薄曇で、近くの余市岳、南岳は見えるのだが、白井岳、定山渓天狗岳などは霞んでしまっていた。
                     ←大
1021m峰                余市岳            南岳
 無意根山も霞んでいて、「羊蹄山」はまるで見えなかった。それでも、パノラマを撮って見るが出来栄えは今一だった。
                     ←大
長尾山  大沼山  無意根山
 山頂から余市岳、西側の962m峰、無意根山、中岳、大沼山を見て、木の上の方にピンクテープがなびく山頂を後にする。
余市岳 西側の962m峰 無意根山・中岳 山頂
 山頂は急だったので、スキーが使えそうなところまで、立ちグリで滑り降りる。登って来たときのトレースは暖気で消えてしまったので、適当に滑り下りが、930m地点でやや右に行かなければならない所を真っ直ぐ下ってしまったり、850m地点でも真っ直ぐ下りてしまい、GPSを見ながら戻る。

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 二人の山行記録 (遊びの時間含む) 
 豊羽鉱山ゲート前ルート
 2009(H21)年2月24日(火)
 曇り ラッセル20cm 往復スキー7.635km 登り2:50 下り1:11
 8:54ゲート前→10:36P900→11:44頂上12.:21→12:53P900→13:33ゲート前
 豊羽鉱山発電所裏林道ルート
 2003(H15)年5月5日(月)
 薄曇り ラッセルなし スキー 単独 登り1:36 下り49
 6:37発電所→7:34P900→8:13頂上8:379:26発電所